もう一つ注意しておきたいのが、カップ麺などのインスタント食品の多くには、保存料としてリンが含まれていること。リンは骨を作るために必要な栄養素ではあるが、過剰に摂取するとカルシウムの吸収を阻害すると言われている。カルシウムが足りなくなると骨がもろくなり、アスリートにとって絶対に避けたい疲労骨折を引き起こす心配も出てくる。
最近のアスリートは栄養学への意識が高く、ヘルシーでないものには敏感に反応する。というわけで、アスリートにとってカップ麺は"避けるべき食品"となってしまうのだ。
とはいえ、前述したような身体への影響は、カップ麺を頻繁に食べたときの場合。たしかにヘルシーなものではないが、すぐに著しい悪影響を及ぼす食品というわけではない。東日本大震災では、カップ麺のようなインスタント食品が大活躍した。炭水化物が主成分であることもあり、多くの被災者の体力維持に役立ったことも忘れてはならない。
カップ麺を食べるなら、一緒に食べるおかずの塩分は控えめにし、ほかの炭水化物の摂取は控えてたんぱく質などの栄養素を摂る。カルシウムも多めに摂取しておいたほうがいいだろう。もちろん、毎日のように食べることは避ける。カップ麺の成分をよく理解し、足りないものを補ってバランスを取ることで、食事の一品として成立させることは可能だ。プロのアスリートでなければ、その程度の配慮でも十分だろう。
エナジーバーやゼリータイプの栄養補助食品と並ぶような、アスリートでも安心して食べられるカップ麺ができたら、世界中で重宝されるように思うのだが・・・。