[プロ野球]
佐野慈紀「キャンプで見た“和田タイガース”の現状」

スポーツコミュニケーションズ

城島、金本の存在

 今シーズン、プロ18年目にして新たなチャレンジをしているのが、城島ですね。昨年手術したヒザが完治せず、今シーズンにおいてのキャッチャーとしての復帰が難しいことから、出場機会を求めて、ファーストのポジション獲得を目指しています。今シーズン、最大の敵となることが予想されるのが、大量補強し、戦力的に頭一つ抜けている巨人でしょう。その巨人には、新加入の杉内俊哉と最多勝投手の内海哲也という強力なサウスポーがいます。同じファーストを狙うブラゼルが左投手が得意でないことを考えても、打線に城島がいるというのはチームにとって非常に大きいでしょう。

 確かに守備は安心はできませんが、それでもブラゼルと比較しても、ブラゼルはワンバウンドの捕球は巧いものの、動き自体は城島もブラゼルもそう変わりはありません。多少、守備は目をつぶってでも、城島を起用する価値は十分にあるはずです。とはいっても、城島が1年間、出場することは難しいでしょうから、ブラゼルとの併用となるでしょう。どちらも強打者ですから、それはそれで、相手にとっては脅威となるのではないかと思います。

 今シーズンの阪神は、昨シーズンとほぼ同じメンバーで、一見、何の変化も強化もされていないように見えますが、実は昨シーズンよりもチームは戦力アップしています。というのは、昨シーズン、城島は故障で38試合の出場にとどまりました。そして、金本もシーズンを通して出場はしていたものの、決して万全ではなく、成績も振るいませんでした。そう考えると、この2人が今シーズン、中心となって活躍すれば、昨シーズンよりも自ずと戦力アップすることは間違いありません。精神的支柱でもある彼らですから、チームにとって、2人が常に試合に出場することは大きなプラスとなることでしょう。このまま順調にいけば、強いタイガースが期待できそうです。

<佐野慈紀(さの しげき)プロフィール>
1968年4月30日、愛媛県出身。松山商-近大呉工学部を経て90年、ドラフト3位で近鉄に入団。その後、中日-エルマイラ・パイオニアーズ(米独 立)-ロサンジェルス・ドジャース-メキシコシティ(メキシカンリーグ)-エルマイラ・パイオニアーズ-オリックス・ブルーウェーブと、現役13年間で6 球団を渡り歩いた。主にセットアッパーとして活躍、通算353試合に登板、41勝31敗21S、防御率3.80。現在は野球解説者。