中野香織 第1回「ダンディズムを究める美人学者、登場」

島地 勝彦 プロフィール

中野 いえいえ、まだ大学院に在学中、合計、1年半ばかりケンブリッジに行っていました。

シマジ 女性で男の美学であるダンディズムを研究したのは変わっていますね。

中野 いいえ、ダンディズムというよりジェントルマン文化論を研究したんです。結果、ダンディズムも学びました。

シマジ 凄いね。女性でジェントルマン文化論ですか。

中野 学問的にその辺を日本では誰も手をつけていなかったんです。文学とか歴史とかは、みんなやってしまっていて、わたしの入る隙間がなかっただけです。

シマジ ニッチを狙ったんですか。ケンブリッジはどうでしたか。

中野 これが部屋にあふれるほど紳士の研究書がうづ高く積まれていて、どこから手を付けていいか迷ってしまいました。

シマジ 紳士文化論を研究する学徒に女性はいましたか。

中野 いませんでした。むしろゲイの学生が多かったです。

シマジ わかるな。ジェントルマン・シップを研究すればするほど、自分を着飾り磨いてるうちに、現実の男そのものに惹かれていくんだろうな。ダンディズムに淫した男は結婚しないだろうから、ゲイに走る気持ちわかるよね。

中野 結婚はダンディズムの墓場です。

シマジ それは名言だね。中野さんの著書「ダンディズムの系譜」は、数年前、発売と同時に買って読みましたが、よく研究されていて、よく書けていましたね。わたしも独学でダンディズムに関しては少し勉強しましたが、やっぱりダンディズムといえば、ボー・ブランメルですかね。

中野 いまや、ほとんどの日本人はボー・ブランメルのことは知りません。ちょうどいいと思うので、シマジさんのボー・ブランメルの魅力を書いたエッセイをここで朗読なさるといいんじゃないでしょうか。

シマジ 恐縮ですが、やりますか。瀬尾、やっと、おまえに仕事がまわってきた。別所哲也さんに成り代わって、うまく朗読してくれ。

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