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間違いだらけの「家庭の医学」
週刊現代 プロフィール

よく考えればわかることなのだが、コラーゲン鍋にコラーゲンドリンクなど、こうもさまざまな商品が出回っていると、つい思い込んでしまっているのが怖いところだ。

「なんでこんな非常識がまかり通っているのか、あまりにバカらしくて今さら反論する気も起きないというのが医師や科学者の本音では」と平石医師はこぼす。

ちなみに、『新・医学常識のウソ・ホント』などの著書がある前出・米山医師によると、肌にいいという触れ込みのヒアルロン酸や関節などにいいと思われているグルコサミンなど飲んで治すタイプのものも同様に意味がないという。

「それらの商品が高価であるほど、いわゆるプラシーボ効果(偽薬効果)はあるかもしれないが、それ以上のものはないのです」

もし、あなたの妻が高価な美容ドリンクを飲み続けているなら、正しい「常識」を教えてあげてみては。

もっとも、(3)の常識を信じて飲み会の前や二日酔いの朝、ウコンのドリンクを飲んでいる人も笑えない。

「ウコンが二日酔いに効くことは、まだ科学的に証明されていないのです」

そう指摘する池谷医師は、(4)のブルーベリーが目にいいというのも、「都市伝説みたいなもの」と斬り捨てる。

池谷氏によると、この都市伝説の起源は第2次世界大戦にさかのぼるらしい。

ブルーベリーフレッシュなブルーベリーはおいしいものだが…… Photo by PhotoAC

イギリスとドイツが戦った折、イギリス空軍はレーダーを所持していたため夜戦にめっぽう強かったのだが、レーダーを持っていることをドイツに知られたくなかった。そこでイギリスは、敵機を撃ち落とす名パイロットがいることにしたのだ。

「その人がたまたまブルーベリーが好物だったので、そのせいで目が良く夜戦に強いのだというデマを流した。以後、ブルーベリーは目にいいと言われるようになったとか」(池谷医師)

(5)の玄米は、ビタミン、鉄分、カルシウム、食物繊維などが豊富に含まれ、健康に良いとされているが、必ずしもそうではない。

「玄米の糠にはフィチン酸という物質が多く含まれており、これが鉄やカルシウムと結びつくと水に溶けにくくなる。そのため、腸からの吸収が悪くなってしまうのです」(米山医師)というのだ。

さらに前出の平石医師は、牛乳が骨にいいという(6)の「常識」に疑義を唱える。

「人間の体は乳製品に含まれるカルシウムを吸収しにくい。また、牛乳などに含まれる『乳糖不耐症』の人も少なくなく、おなかを壊してしまう人もいます。それであれば、小魚やひじきなどの海藻類のほうがずっとカルシウムが多く含まれており、より効率的といえるでしょう」

ちなみに、カルシウム不足は骨以外にも影響を及ぼすことが最近の研究でわかっている。カルシウム摂取量が不足すると、逆に脳や血管のカルシウムが増えて動脈硬化になり、心筋梗塞や脳梗塞、認知症などを引き起こす原因にもなりうる。

(7)の貧血にはレバーやほうれん草、という常識も同じような理由から「意味がない」という。