爆笑!ああ、体育会の青春 先輩から人生の「理不尽」を学んだ日々

明大ラグビー部・PL学園野球部ほか
週刊現代 プロフィール

「『今日は試合だ、良かった!』ってね。全国大会決勝戦で、ホテルから花園まで走って行って勝ちましたからね。体が暖まっているから、いきなり試合ができるんです。で、すぐ夜行バスで帰って、翌朝5時から練習。全国大会優勝おめでとうなんてレベルじゃないです。練習だろうが試合だろうが、ただただ毎日死なないで良かった、って思っている奴ばっかりだから。ラグビーの楽しさや勝つ喜びなんて、高校時代は全然知らなかったですね」

 過酷で理不尽な環境の代名詞・体育会。強豪校であれば、その辛さは尚更だ。それなのに、出身者たちは当時の思い出を喜々として話してくれる。

「大学柔道界で最も恐れられていた」という国士舘大学柔道部の往時の実態を語るのは、'74年に同大学へ入学した、国士舘高校柔道部監督・岩渕公一氏だ。

「先輩後輩の序列は絶対で『1年は奴隷、2年は平民、3年は天皇、4年は神様』。試合で負けたり、先輩の気に障ると、寮の屋上に呼び出されて正座させられ、バットや木刀、杖などで叩かれる〝説教〟です。

 少しでも痛みを和らげようと厚着するんですが、あるとき、軽量級の友人がいっぱい着込んで重量級になって〝説教〟を受けに来た。すると先輩に『着すぎだ。全部脱げ』と言われて結局アザだらけ。翌日、監督がそれを見て『おお、いい色になったな』と笑っていた」

 寮の廊下に2時間正座させられ、足がしびれて気分が悪くなったとき、ある先輩が珍しく「部屋に戻って休め」と声をかけてくれた。

「でも同級生に悪いし、絶対に他の先輩から目をつけられる。それで恐る恐る断ったら、『俺の言うことがきけねえのか!』と殴られた。結局、何をやっても一緒なんです(笑)」

先輩のひと言がすべてだった

 とにかく「はい」しか許されない。先輩に刃向かうなどありえない。しかし、一日だけ〝無礼講〟があった。

「うちの大学の伝統は、4年生の送別会。その日は4年生に何をしてもいい。どんぶりで酒を飲ませ、胴上げした後、地面に落として後輩が殴る蹴る。儀式だから、先輩もそれを甘んじて受けるんだ。でも最後は必ず、その卒業生に一番苦しめられた、寮の同部屋の1年生が『もうこれぐらいにしましょう』と助け船を出すんです」

 岩渕氏は当時の先輩には後輩を守るという思い、そして威厳があったと語る。

「〝説教〟も、イジメとは違った。困ったとき、揉め事が起きたときには必ず先輩が助けてくれるから、後輩も先輩に尽くそうとする。理不尽ばかりなのに、不思議と義理や恩を感じた。古き良き時代ですね」

 猛練習、理不尽なしごきと並ぶ〝体育会系三大地獄〟の三つ目は寮生活。寮で上下関係や集団規律を徹底的に叩きこむ強豪校は多い。

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