2012.01.17(Tue) 株式会社 ブランド総合研究所

大槌町漁協が債務超過で解散へ

筆者プロフィール&コラム概要

 岩手県大槌町の大槌町漁業協同組合(倉沢重司組合長)が10億円を超える債務超過に陥り、再建を断念。解散することが決まった。東日本大震災を受け、経営破たんした漁協としては初の事例となる。

 同漁協は昭和46年に当時の町内3漁協(大槌、赤浜、吉里吉里)が合併して発足。サケをはじめ、定置漁業のほか、ワケメ、ホタテなどの養殖が中心。岩手県でも有数の規模を誇り、資本金が2億4000万円、組合員は800人、従業員数は30人。

 震災前から過去の設備投資による数億円程度の負債を抱えていたが、震災で事務所や魚市場などが被災し、その負債が拡大した。被災地の漁協に対しては、国や県から貸付や補助金などの様々な支援策があるが、多額の負債があるために補助金が交付できない見通しという。

 そこで、1月13日に開いた理事会で組合の存続を断念する方針を決め、解散を決めた。新しい組合の発起人会を1月中に開催し、6月頃に設立する見込み。現組合への出資金は組合員には戻らないが、従業員は再雇用し、地元漁業の復旧・復興につなげるという。

 大槌町は三陸海岸のほぼ真ん中に位置し、海産資源が豊富にある。また、「大槌湾の海水が2日で外洋の海水と入れ替わる」と言われており、ワカメやホタテなどの養殖物の評価は高かった。東京大学海洋研究所国際沿岸海洋研究センターが設置されている。

 東日本大震災では、加藤宏暉町長と課長クラス以上の職員全員を含む数十人の職員が津波に呑み込まれ、行政機能が麻痺するなど、甚大な被害を被った。また、釜石市所属の観光船「はまゆり」が民宿の屋根に引っかかってその上に乗る形で止まった姿が大きく報道された。
 

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