福原義春 第4回「『マッカーサーが探した男』、あれをなぜNHKがドラマ化しないのかしら」

島地 勝彦 プロフィール

 

シマジ 賢夫人の話を煎じ詰めていえば、福原さんにはちゃんとした大きな書斎があるのに、本がどんどん増殖しそこからあふれててきている。まるでタイの洪水状態です。生き物のように書斎をはみ出して、廊下やリビングまで侵略していっぱいになり、ついには玄関にまで押し寄せてきたそうですね。、「わたしたちはキッチンで食事をして談笑し、福原もそこで何やらコソコソ原稿を書いてるんですよ」と仰っていましたね。

福原 あっ、そうだ。瀬尾編集長、最近の本はよく汚れないようにビニール・コーティングしているでしょう。あれはいけません。廊下を歩くたびに、折角、堆く積んだ本の表紙が滑って崩れてくるんです。

瀬尾 それは気がつきませんでした。

立木 積み上げた本が崩れないように、猫の爪みたいな道具を作って表紙をガリガリやって滑らないようにしたらどうですか。

シマジ それは多分福原さんくらいしか買わない道具でしょうね。

 福原さんにとって、自分と巡り会った本は、タッチャンにとってのが出会った女と同じです。を愛するように、愛しくて愛しくて、愛しさのあまり売ることも、捨てることも、人にあげることも出来ないで、そばに置いておきたい気持ちなのでしょう。わたしには理解できますね。もしわたしが福原さんのような豪邸に住んでいたら、間違いなくそうします。

福原 昭和の読書』をお書きになった荒川洋治さんが新聞のインタビューに答えて「本の背表紙を眺めるだけでいろんな時代が見えてくる」と仰っておられました。ぼくも背表紙を眺めているだけでいろんな人生が見えてくるんです。

シマジ 毎日新聞の「読書日和」でしたか。

瀬尾 シマジさんも新聞をよく読んでるんですね。

シマジ いやいや。その切り抜きを福原さんに送ってもらっただけです。

立木 こんな偉いエスタブリッシュなおかたに切り抜きさせて送らせるって、シマジ、いくらなんでも失礼じゃないか。