ヘディングも練習しすぎると脳を傷つけるリスクあり!

 米国・ニューヨーク市ブロンクスにあるアルバート・アインシュタイン医科大学のMichael Lipton博士がシカゴで、2011年11月27日-12月2日まで開催された北米放射線学会(RSNA2011)で発表した研究で、サッカー選手が1年に行うヘディングが、ある一定以上の回数を超えて脳に衝撃を与えた場合、外傷性脳損傷と同様の大脳白質の異常が発生するリスクかあることが明らかになりました。

 博士はサッカー選手がヘディングの後に頭痛を感じたり、意識が混濁したりして受診する場合があり、その後に認知能力に影響が出ることがあるのにもかかわらず、これまでそうしたサッカー選手の脳画像研究があまりなされていなかったことから、研究に着手したということです。

 研究では脳の白質神経線維に生じる細かな変化を詳しく調べるために、拡散テンソルMRI画像を用いて、38人のアマチュアサッカー選手の脳画像が、詳しく分析されました。被験者となったアマチュアサッカー選手が、検査前1年間に行ったヘディング回数は、それぞれ0回から5600回で、1320回以上が最上位25%グループに仕分けされました。

 そして脳画像を詳しく解析した結果、年間ヘディング回数1320回以上のグループに脳震盪や外傷性脳損傷患者の画像に見られるものと同様の変化が観察されたということです。そしてこうした脳白質の微小な変化は、これまでの研究から外傷性脳損傷患者に生じる認知能力の障害に結びついていることが知られており、博士らはサッカー選手の場合、ヘディングの回数と頻度が、多くなればなるほど、脳白質の微小な変化が生じやすくなり、認知能力の障害に、つながる可能性が高まることを示しているとしています。

 博士はこの結果について、今回の研究はサンプル数が少なく、認知能力の障害についてはさらに大規模な研究が必要ではあるけれども、サッカー選手は世界で2億5千万人以上存在しており、またサッカーを日常的に練習し、試合に参加する子供たちも多いことから、脳の健康を考えた場合、できるだけヘディングの回数は減らすべきだとしています。

医療ジャーナリスト 宇山恵子
北米放射線学会RSNA 2011; Abstract SSK12-04.