【最終章・最終回】「平家はなぜ滅亡したのか?」これが本当の悲劇・・・平家滅亡の真犯人、そして清盛の「失敗」が明らかに。

 この連載本編も、ついに今回が最終回。最大の謎である「平家滅亡の真相」の完結編です。

 巨大な経済力を誇った平家をいとも簡単に滅ぼした"真犯人"は、『銭の病』ではありませんでした。

 銭不足による経済混乱もたらした『銭の病』は、歴史的な飢饉のひとつ「養和の大飢饉」によるハイパーインフレで、一気に終息してしまいます。

 しかし、その「『銭の病』を終息させたもの」こそが、平家滅亡の"真犯人"だったのです---。

ハイパーインフレで平家が見た地獄

 「借金をしていた人々」は、ハイパーインフレによって銭の価値が暴落したので、返済額が少なくなり、非常に得する結果となりました。

 一方、「銭を大量に保有していた人々」は、このハイパーインフレにより一気に資産を失いました。

 その代表が平家一門です。

 彼らが被ったのは、銭という資産の価値下落だけではありません。労働者を雇って行っていた大規模事業も、報酬として払う銭の価値が下落すれば行えなくなります。

 それまで清盛が私財を投じてすすめてきた大輪田泊(神戸港)の修築についても、1180年には「国家事業として行ってほしい」と朝廷に要請を出しています。

 この背景には、銭の価値の暴落もあったのでしょう。

 平家一門は経済的な栄華の頂点から、瞬く間に「資金難」地獄に転げ落ちたのです。

 「こんなことなら、財産の大半を銭で持つのではなく、米を貯蓄してリスクヘッジしておけばよかったのに・・・」と思う方もいるかもしれません。

 そうはいっても、平家の富の半分を米に替えるとなれば、保管しきれない莫大な量になってしまいます。しかも米は長期保存することができませんので、現実的なリスク回避手段とはいえません。

 平家は、顕在化した「銭のリスク」をもろに被ることになったのです。

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