2011.04.28(Thu)

今こそ考える!なぜ日本は食料輸入大国になったのか Vol.2

生きるためにいちばん大切な「食」の話

筆者プロフィール&コラム概要

 この高度経済成長を労働力の中心となって支えたのが、「団塊の世代」と呼ばれる人たちだ。一九四七年から一九四九年のベビーブームに生まれた世代で、約八〇〇万人にも上る。前述した金の卵も、この世代に含まれる。

 彼らの人生は戦後日本の歩みと重なっていて、「貧しさ」から出発し、目の前に広がる「豊かさ」に向かって邁進したんだ。高度経済成長期は、「がんばって働けば、明日は今日よりも豊かになれる」と信じられる時代だった。

 僕は団塊の世代のちょっと下。小学校高学年から高校生ぐらいまでが、この高度経済成長の時期だった。住んでいた町に最初にテレビが入ったときのことはいまでも覚えている。

 小学三年生だったある日、近所の材木屋の庭に一〇メートルぐらいのアンテナが立てられた。昔の材木屋は町いちばんのお金持ち。当時も住宅建設ブームで景気がよかったから、白黒テレビを最初に買ったんだ。

 その日から夕方になると、大人も子供も関係なく近所の人たちがこぞってテレビを見に行った。その家の人が茶の間でテレビを見ながら夕食をとっているその横で、開けられた窓にかじりつくようにみんな群がって、テレビに熱中していた。

 誰もテレビに慣れていないから、アナウンサーが「こんばんは」とあいさつすると「こんばんは!」って応えていたんだ。

 いちばん人気があったのは、金曜の夜八時から放映される『三菱ダイアモンドアワー』というプロレス中継番組。力道山というレスラーが外国人レスラーの卑怯な反則技でさんざん痛めつけられるけれど、最後は必殺技の空手チョップで豪快に打ち負かすその戦いぶりに、日本中が熱狂したんだ。

経済成長とともに変化していく食卓

経済成長によって所得が増えたことで、日本人の食生活もレベルアップした。

 国や民族を問わず、経済発展し生活が豊かになると、食生活は必ず変わっていく。大東文化大学の小島麗逸教授によると、その変化は四つの段階を経るという。

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