2011.04.28(Thu)

今こそ考える!なぜ日本は食料輸入大国になったのか Vol.2

生きるためにいちばん大切な「食」の話

筆者プロフィール&コラム概要

 工業を発展させるためには二つの条件がある。

1、農業を省力化して、余った労働力を都市(工業部門)に供給すること
2、食料を増産して、都市に安価で供給すること

 [1について]

工業を発展させるためには、都市の工場で働く労働者が必要になる。その労働力をどこから持ってくるかといえば、それは農村。

 農家の跡を取らない次男坊や三男坊、そして女子を工場で働く労働者にするわけだ。

 しかし、農業、コメ作りには手間がかかる。たとえば除草。「日本の農業は雑草との闘い」とよくいわれるけれど、アジア・モンスーン地帯に属する日本は雨がとても多いから、放っておくと水田に雑草がどんどん生えてきてしまう。コメの収穫量を上げるために、一家総出で雑草を取らなければならなかった。

 さらに田植えや稲刈りはもっとたいへんだ。一家総出で農作業しても人手が足りないから、近所の農家同士が協力し合って、お互いの水田の田植えや稲刈りをする(この、共同で農作業などをする習慣や組織を「結」という。かつては全国どこにでも見られたけれど、最近はなくなりつつある)。マンパワーに頼るしかなかったから、効率が悪かったんだ。

 このためコメ作りの近代化・機械化が求められた。農業の「三種の神器」と呼ばれるトラクター、田植え機、コンバイン、また除草剤の導入を進めてコメ作りを省力化し、農家の余った働き手を都市に送り出そうとしたんだ。

 「金の卵」という言葉を知っているかな? 一九六〇年代、中学校卒業後に田舎を離れ都会で働いた農村の若者たちのことだ。

 みんなで揃って列車に乗って、大都市に集団就職する。僕の小中学校の友達にも、高校には進学せずに東京の町工場などに働きに出て行ったやつがたくさんいた。

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