夫に早く死んでほしい妻たち

「あなたの存在自体がストレスなのよ!」
週刊現代 プロフィール

 離婚カウンセラーの香山実央氏のもとには、多くの夫婦から夫婦生活の悩みについての相談が持ちかけられるが、そのなかには「夫に死んでほしいと思っている」あるいは「妻が私に『死んでほしい』と思っている」といったような悩みも少なくないという。

「子どもがある程度成長して、いろいろと考える時間ができるようになると、夫に対する不満を蓄積してきた女性が『私の人生ってなんなんだろう』と考え込むなかで、夫に『死んでほしい』と思い始めることが多いようです」(香山氏)

 香山氏のもとに寄せられた、ある男性からの相談事例を紹介しよう。

 IT企業に勤める40代半ばのサラリーマンの夫と、5歳年下の妻、それに今年小学校に入学する娘の3人暮らしの家庭。数年前から夫の会社が急成長を遂げ、夫は若くして取締役に抜擢され、給料は跳ね上がった。

 しかしその分、夫の仕事は忙しくなり、家に帰るのも毎日午前様。休日も接待ゴルフで家を空けることがほとんどで、妻に『家族でゆっくり旅行に出かけたい』『結婚記念日くらいちょっといいところで食事をしたい』と言われても、『仕事で忙しいんだ。記念日とか旅行とか言ってられない』と断り続けていた。

 ある日の真夜中、夫がふと眠りから目を醒ますと、枕元に妻が立っており、じっと夫を見つめていた。妻は片手にチャッカマンを持っており、カチカチと火をつけながら、寝ぼけ眼の夫にひと言こういった。

「ねえ、死んでよ」―。

 背筋が凍りつくような話であるが、同様の体験談は、本誌読者からも寄せられている。「ある日、妻が私のゴルフクラブを持って、車の助手席をメッタメタに破壊していた。浮気を疑っていたようで、『助手席に女を乗せられないようにするため』と妻は言ったが、次は自分がやられる、と身の危険を感じた」(40代後半・営業職)

「大型台風が直撃した日、早めに会社を出て帰宅したら、家にカギが掛けられていた。妻が中にいるのは明らかなのだが、こちらが戸を叩いても反応しない。近くの漫画喫茶で一夜を明かしたあと、家に戻って妻を質(ただ)したら、『強風の音だと思って気づかなかったわ』と平然と言われた」(39歳・広告代理店)

 今年の元日には、東京都東久留米市に住む66歳の男性が妻と口論になった際に、石油ストーブのタンクに入っていた灯油をかけられたうえに火をつけられ、意識不明の重体になるという事件が発生した。

 この夫婦はしばしばケンカをすることで近所でも有名だったそうだが、近隣住民からは「まさか殺意を抱くほど夫を憎んでいたとは思えなかった」という声が聞かれた。あなたの妻も、いつかあなたの体に火をつけるやもしれない―。

 妻の気持ちは、夫に対する肉体的な暴力や、言葉の暴力だけではおさまらないこともある。離婚問題を扱う、都内のある法律事務所に勤める弁護士は、こんな話を明かしてくれた。

「『夫の存在を消してしまう法律はないのでしょうか』という相談が、うちの事務所に立て続けに2~3件来たのです。ネットか雑誌で知ったのか、『夫を死んだことにする制度があると聞きました』と言うんです」

法律を使って夫を葬る

 夫を死んだことにできる制度とはなにか。行政書士試験講師の武田哲史氏が説明する。