さよならニッポン、新時代の国際人としての心構え

「日本ってどんな国なんだ?」

 約20年前だろうか、僕がアメリカ在住の中学生だったころは、日本人が物珍しかったのか、アメリカ人の学友に日本という国について聞かれることが多かった。その時は日本について答えることがとても簡単だった。

 お前のお父さん、お母さんが乗ってる車を作ってる国だよ。この小型のウォークマンすげーだろ、僕の国が作ったんだぞ。マリオ知ってるか?あれも僕の国だ。さらには当時のヒットしていた映画「カラテキッド」(邦題:ベストキッド)まで、主人公が日本人の師匠から空手を学ぶという設定で大ヒットしていた。

「日本は凄い」そう言い切れる物が海外には数多く存在していた。日本人として自信満々だった。まさにグレートニッポンに背中を押されて日本を説明していた。当時、アメリカで有数の課税所得を誇る地域の学区に通っていたが、その中でもグレートニッポンマジックは僕を守ってくれた。日本が世界に提供しているものを説明するだけで、まわりから尊敬してもらうことができた。今考えてみると僕は日本を背負っていたのではなく、強い日本に背中を守ってもらいながら、海外と戦っていたのかもしれない。

さて、今はどうだろう?

 音楽プレーヤーは間違いなくウォークマンではなくiPodだ。2007年頃までの北米市場では、ipodのシェアが6割に対してソニーのシェアは1割弱であった。ウォークマンを買っているのは世界でも日本人だけだ。また、日本の車産業もゲーム産業も昔ほどの市場占有力はもうない。さらにはあのベストキッドまでがリメイクされて、ウイル・スミスの息子がジャッキーチェンから中国拳法を学ぶ話になってしまった。

 もう国際社会において強き良き日本は存在していないといっても過言ではないだろう。実際はまだいろいろな産業の中で日本がリードしているものは多いとは思うが、ただ世界の中で与える日本のイメージインパクトは昔と比べたら雲泥の差だということを理解する必要はあるだろう。

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