普天間問題の鍵を握る国民新党

防衛省も外務省も大歓迎
佐藤 優 プロフィール

 下地幹郎衆議院議員は、現在、沖縄から選出されている国会議員の中で、もっとも活動的だ。かつて下地氏は、自民党で強い影響力をもっていた鈴木宗男衆議院議員を支持する「ムネムネ会」の有力メンバーであった。同時に、田中真紀子外相の側近でもあった。

 2001~02年にかけ、鈴木氏と田中氏は本格的な「戦争」を展開していたが、その両者と平然と親しくすることができる下地氏の特異な才能を目の当たりにし、筆者は驚いた。

小沢一郎との正面衝突はあるのか

 シュワブ陸上案は、1998年の日米特別行動委員会(SACO)の協議において浮上し、米軍再編協議でも、守屋武昌元防衛事務次官(東京地方検察庁特別捜査部により収賄容疑で逮捕、起訴され、一審、控訴審で懲役2年6月の実刑判決を言い渡され、現在、最高裁に上告中)が日米交渉で推進した経緯がある。

 社民党は、国民新党の普天間飛行場の沖縄県内移設案を手厳しく批判した。これに対して、下地政調会長は、
<「不愉快だ。社民党と基地問題の協議をしないという気持ちにもなりかねない」と語った。/下地氏は、米軍嘉手納基地に統合するか、キャンプ・シュワブ陸上部に滑走路を建設する国民新党案について「沖縄県民に新たな民有地の提供を求める必要もなく、県民のためにも日米安保のためにもなる案だ」と強調した。北沢俊美防衛相と基地問題について協議後、防衛省内で記者団に語った。>(2月19日産経新聞)
ということだ。

 防衛官僚も外務官僚も、沖縄出身の下地氏が沖縄県内への移設を提案してくれたので、随喜の涙を流して喜んでいると思う。この流れを米国の「日米安保マフィア」も歓迎するだろう。

 キャンプ・シュワブがある辺野古の青い海を埋め立てるべきでないとする民主党の小沢一郎幹事長と下地政調会長が正面衝突することになるのであろうか? それとも衝突を避ける秘策が下地氏にあるのだろうか? 実に興味深い状況だ。

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著者:佐藤優
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