大反響!世界同時ベストセラー『スティーブ・ジョブズ』
独占掲載第2回 ガンとの闘い

週刊現代 プロフィール

 その「天賦の才」を、ジョブズは製品づくりのみならず、ビジネスの合理化においても発揮していく。

〈「なにをしないのか決めるのは、なにをするのか決めるのと同じくらい大事だ。会社についてもそうだし、製品についてもそうだ」

 ジョブズは、アップルに復帰すると同時にこの集中原理を適用してゆく〉

 アップルに何十とある製品チームとのミーティングでは、なにをしているのか、担当者にジョブズがたずね、製品やプロジェクトを継続しなければならない理由を説明させた。

 このときジョブズは、会議やプレゼンに欠かせないパワーポイントの使用を禁止している。その理由が興味深い。

〈「考えもせずにスライドプレゼンテーションをしようとするのが嫌でねぇ。プレゼンテーションをするのが問題への対処だと思ってる。次々とスライドなんか見せず、ちゃんと問題に向き合ってほしい。課題を徹底的に吟味してほしいんだ。自分の仕事をちゃんとわかっている人はパワーポイントなんかいらないよ」〉

 こうして「勘違いチームがガラクタを山のように作って」いた現状にメスを入れることにした彼は、あるとき会議で声を荒らげた。

〈「もういい!」

 全社的な製品戦略のセッションだった。

「あまりにバカげている」

 マーカーを手にするとホワイトボードのところへゆき、大きく「田」の字を描く。

「我々が必要とするのはこれだけだ」

 そう言いながら、升目の上には「消費者」「プロ」、左側には「デスクトップ」「ポータブル」と書き込む。各分野ごとにひとつずつ、合計4種類のすごい製品を作れ、それが君たちの仕事だとジョブズは宣言した〉

 彼が陣頭指揮を取ると、2年間赤字だったアップルの業績はわずか四半期で黒字転換した。

会社の中から100人選べ!

 この後、ジョブズが手掛ける製品はことごとく大ヒットを飛ばす。復帰後最初の大型商品iMacも、世間から絶賛された。「あの男」を除いては。

〈「iMacが絶賛されているがこれは短期的な流行である」と、マイクロソフトに集まったアナリストにビル・ゲイツが語ったのだ。これにジョブズは怒った。