2011.04.20(Wed)

今こそ考える!なぜ日本は食料輸入大国になったのか Vol.1

生きるためにいちばん大切な「食」の話

筆者プロフィール&コラム概要

 これまで日本の食料輸入は、「安い価格」「高い品質」「大量の供給」という三つの点で安定していたけれど、近年この「三つの安定」が脅かされるようになっている。

 世界規模で食料が足りなくなりつつあり、過去三〇年間安定していた食料価格が上昇しているんだ。食料の生産よりも消費のほうが増加していて、ためておいた食料のストックを各国がどんどん吐き出している状態なんだ。

 自国民を養うため、食料の輸出を規制する国も出てきている。さらに、輸出を抑えることで、食料を輸入国に対する外交的な「武器」にする動きもあるんだ。

 あと数年で世界的な食料危機が到来する可能性が高い。それなのに、よく知らなかったり、あまり関心がなかったりする人が多いように感じる。だから少しでも多くの人に、僕たちが生きていくうえでの重大な問題を知ってもらいたんだ。

 なぜ日本の食料自給率はここまで低下してしまったのか---。まずはそれを明らかにするために、戦後六〇年の日本の食料事情を振り返ってみよう。

日本の戦後は「飢え」から出発した

 一九三一年の満州事変から一九三七年の日中戦争、そして一九四一年の太平洋戦争と戦争を続けた日本は、一九四五年の八月に、アメリカをはじめとする連合国の「ポツダム宣言」を受け入れて敗戦を迎えた。

 戦争中、農村から働き盛りの男性が兵隊として召集されたため、国内の食料生産力は低下していた。そこに戦争が終わって戦地から兵隊が続々と帰還。

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