スタートアップ起業家、政府、地域が一丸となって産業育成を目指すロンドンの新しいコ・ワーキング・スペース、「techhub」

 未曾有の大震災の発生から1ヵ月の月日が経ち、今最も求められているもののひとつとして、「復興後のビジョン」ということがよく挙げられます。被災地を、この国を、どうしていくのか、そんなリーダーシップが求められています。

techhubロゴ

 先日訪問したロンドンで偶然立ち寄ったあるオフィスに、「techhub」という施設があります。「コ・ワーキング・スペース」 *1と最近では呼ばれているシェア・オフィスのひとつです。改めてこの施設、そしてその背景にある様々な動きに目を向ける際、そこに2012年にオリンピックを控え、産業育成を実現するための英国政府の強いビジョンを感じ取ることが出来ます。今回は簡単にその様子をご紹介したいと思います。

「techhub」とは

 「techhub」とは、2010年7月にオープンした、テック系スタートアップのためのコ・ワーキング・スペースです。英国人起業家のエリザベス・バーレー氏と著名テクノロジー系ウェブサイト「テッククランチ・ヨーロッパ」担当エディターのマイク・ブッチャー氏により、共同で設立されました。設立時からグーグルや大手出版社ピアソン社等がスポンサーとなり、創業間もない起業家に対し、低価格でオフィス・スペースを提供し、起業家同士、また投資家も交えた生態系を生み出しつつあります。

techhubの様子

 審査を経た起業家や創業間もない企業のメンバーは、年間375ポンド(約5.2万円)(+税金)を払うことで自由に施設の利用が可能で、月間275ポンド(約3.8万円)(+税金)を払えば専用のデスク、郵便の住所を持つことができ、会員であれば施設で行われる様々なイベント、オンラインのコミュニティに参加することが可能です。

 「techhub」はロンドン東部にあるオールド・ストリート駅を出てすぐの場所、ショーディッチ地区にあります。このエリアは、かつては汚れた街角に貧困層や移民が多く住む地域として知られ、その後、自由奔放な雰囲気と安い賃料を好む芸術家らが住み着いて流行の発信地としても知られていました。この地が今、2012年のロンドン五輪開催に向けて、再び大きく生まれ変わろうとしているのです。

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