ある日突然、高血圧

脳卒中 心筋梗塞 腎不全 認知症に
週刊現代 プロフィール

 こういう患者は朝、夜に自分で血圧を測ってもらう以外には、見つけようがない。診察で測った値だけで判断するのは、危険な場合があるのです」

「隠れ高血圧」のなかには、ほかにも「職場高血圧」というケースもあるという。

 証券会社勤務の男性(45歳)はこんな体験を話す。

「年に1回、人間ドックを受けているのですが、血圧は上が130程度で問題はありませんでした。

 ところが、ある日、会社の会議中にフラフラして、救急車で運ばれ緊急入院しました。軽い脳出血でした」

 前出の桑島医師はこう解説する。

「一般的にサラリーマンは職場で計測したほうが高血圧になる傾向があります。職場だとさまざまなストレス要因がありますが、仕事を休んで健康診断を受けたときは、リラックスしていて血圧が普段よりも下がってしまうわけです。診断のときは嫌な上司もいないですからね(笑)」

高血圧は遺伝する

 桑島医師によれば、ストレスや緊張によって職場でだけ40~50mmHgも上昇してしまう人もいるという。桑島医師らが民間企業の職員を対象に行った調査では、実に3分の1の人が「職場高血圧」だった。

「職場高血圧になりやすい要因が3つあります。それは1)年齢が48歳以上2)肥満3)高血圧の家系であること。東京都の職員の血圧を分析したところ、健康診断での血圧が正常の範囲の人でも、それらの3つの要因を満たす人ならば、職場高血圧である確率は95%にも及ぶことが分かりました」

「隠れ高血圧」の人は、正常な血圧値の人と比べて、1・62倍も血管病になる可能性が高いという調査データがある。自分の本当の血圧の数値を知らないまま、ある日、突然・・・ということは十分にありうるのだ。

 なかでも自分が高血圧なのかどうか、特に気をつけなければいけない人がいる。それが、「高血圧家系」の人である。日本高血圧学会の評議員を務める三井記念病院総合健診センター(東京千代田区)所長・山門實医師はこう指摘する。

「高血圧は遺伝します。両親が高血圧で現在、肥満の方は、かなりの高確率で高血圧になる。また肥満でなくとも、両親が高血圧なら、子どもの2人に1人は高血圧になる。父親のみが高血圧なら、子どもの4人に1人が高血圧になります」

 前出の桑島医師もこうアドバイスする。

「40代後半から高血圧になる場合が多いですが、高血圧家系の人なら、30代半ばから注意を払ったほうがいいでしょうね」

 高血圧の恐ろしさを分かっていただけたろうか。