ある日突然、高血圧

脳卒中 心筋梗塞 腎不全 認知症に
週刊現代 プロフィール

「なかでも一番血圧の影響を受けやすいのが、脳です。脳の血管は構造上、弾力繊維が乏しいために圧が高くなってくると膨らんでしまい、すぐバチンと破裂してしまう」(前出・桑島医師)

 それが「脳出血」である。その実例を紹介しよう。

「稽古の合間に座って休んでいたら、頭の中でパチっと音がしたんです。エッと思った瞬間、耳鳴りがして、頭の先からつま先まで火災報知機が鳴ったような、体の中をセミが5000匹くらい飛び回っている感覚に襲われました」

 そう語るのは、漫才コンビ「宮川大助・花子」の大助さん(60歳)。彼が脳出血で倒れたのは'07年2月。突如、目まいと左半身の激しいしびれを覚え、病院に担ぎ込まれ、高血圧が原因の「脳出血」とすぐさま診断された。しかし、大助さんは酒もタバコもやらない。普段は草野球を楽しみ、趣味で畑仕事もしており、血液はサラサラでメタボでもない。倒れるまで、血圧のことなど何も気にしていなかったという。大助さんは、当時を振り返ってこう話す。

「ひっくり返るまで家に血圧計もないですし、まともに計ったことはなかった。吉本興業ですから、定期検診もないです(笑)。ただ身体がしんどくて、4~5年前に人間ドックを1度受けたことはあります。でも、そのときも血圧については、やや高めではありましたが、薬を服用するほどではないと医師からは言われました。その後は、血圧を意識したことはありません」

 倒れた際の大助さんの上の血圧は200以上。だが、処置が早かったため、一命を取り留め、奇跡的に深刻な後遺症も残らなかった。1ヵ間入院し、3ヵ月後に舞台に復帰した。

ゴルフ場で倒れる

 大助さんが高血圧になった理由は長年にわたる塩分の摂りすぎだった。

「医師から言われて、自分でも『そらなるわな』と納得しました。子どものころから塩辛いものばかり食べていました。おでんや野菜炒めにも醤油をかけていたし、塩鮭も一番辛いのが好き。好物は明太子スパゲッティ。柿やイチゴ、みかんにさえ醤油をかけて漬物代わりに食べていたこともありました。家族から、かけすぎだと注意されていましたが、食事中にそんなこと言われても、うっとうしいでしょ(笑)」

 高血圧は自覚症状もなく、大助さんは仕事に追われて、病院に行くこともなかった。

 結局、大助さんは倒れるまで食生活を変えることはなかったという。

「いきなり車輪が外れて、脱線した感じでした」

 長年の生活習慣が、突如として「脳出血」という形で表に現れる。前出・林医師はこう解説する。