老後の貯え「投資で大失敗」…家族に見捨てられて、気がつけば丸裸に

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週刊現代 プロフィール

「この広告は誤解を与えるとして問題になり、さすがに最近ではこれほどの高金利をクローズアップさせた広告はなくなりました。ただいまでも外貨定期預金の金利を年利でPRしているところはある。売買時に2度手数料を取られると知らない人も多いのではないでしょうか。もちろん為替リスクもある。このまま円高基調が進めば、持っているだけで損失が膨らむのです」(前出・紀平氏)

マンション投資で借金漬け

[仕組預金]

 銀行が満期を決める商品が多いのが仕組預金。たとえば満期が「5年または10年」というように表記されており、どちらにするかは銀行の都合で決められる。

 なぜこうした幅をもたせているのか。

「運用がうまくいって銀行が儲かるときは満期を10年にし、儲けられないときは満期を5年とするためです。これらの商品の設計は非常に複雑なので、専門家以外で理解できる人はほとんどいないでしょう。わからないものには預けない。これが原則です」(前出・紀平氏)

[マンション投資]

 元広告代理店勤務の北野耕太氏(仮名、50歳)はマンション投資で人生を暗転させた一人だ。

「名前を聞けば誰もが知っている大手工務店の営業マンから説明を受け、色気を出してしまいました。『頭金がゼロでもワンルームマンションのオーナーになれます』というので詳しく聞くと、ローンの金利が年3%。2000万円でワンルームマンションを買えば、毎月10万円の家賃が入ってくるため、ローンを払っても年間60万円が手元に残るとのことだった。

 しかも営業マンは『家賃保証があるから、入居者の心配も不要』とも言う。結局、営業マンの『4戸購入すれば年間に240万円の収入になります。年金がもう1本増えるようなものです』という言葉にのせられて、8000万円のローンを組んで、文京区、中央区などのワンルームマンションを4戸購入しました。

 1年経つと本当に口座に240万円が貯まっていて嬉しかったけど、ちょうど同じ頃に、『金利変更のお知らせ』なるものが郵送で届いた。合計8000万円の資金はノンバンクで70%を借り、大手消費者金融で30%を借りていましたが、その通知には優遇金利3%の適用期間が終了したため、ノンバンクのほうは金利が年7%になり、消費者金融のほうは12%になるというものでした」

 家賃収入を利回り換算すると6%だったので、金利が上がると、おカネが貯まるどころか、2・5%分が足りなくなる。しかも期間30年のローンだから、75歳頃まで200万円を毎年払っていかなければならないとわかったのだ。

「これではまずいとマンションの処分を検討したが、売却価格は一戸あたり1000万円くらいと見積もられた。思い切って妻に話すと、『冗談じゃない』と聞く耳をもたない。私が『自殺でもして保険金で払うしか方法がないね』と冗談で言えば、『それが一番いいわね』と真顔で返してきた。そのうち夫婦の会話もなくなり、妻は実家から戻らなくなった。考えもしていませんでしたが、結局、離婚するハメになりました」