老後の貯え「投資で大失敗」…家族に見捨てられて、気がつけば丸裸に

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週刊現代 プロフィール

「勧誘はいたってシンプル。原油価格が上がれば、『原油が上がっています。今、この先物に投資すれば1週間でもかなりの利益を出せます。今朝、新聞読みましたよね』。エタノールの原料としてトウモロコシが値上がりした時も『トウモロコシの先物はいかがですか。今買えば、必ず儲かります』と新聞記事にあわせた勧誘をしかけてくる。

 こういう営業文句は、毎日のように新聞を読んで、世界情勢をよく知っているエリートの知的プライドをくすぐるようで、『それなら是非』ということでついつい手を出してしまう。しかし新聞記事になる頃はすでに高値に達していて利益はそれほど見込めず、下落基調に入る寸前であることが多いんです」

 さらに先物取引の場合、レバレッジを効かせた取引が主流。100万円を元手に1000万円規模の取引などが可能だが、これが命取りとなる。

「100万円の元手で1000万円分の取引をしている場合、損失が50万円を超えると追加保証金(追証)というものを支払わなければ投資を継続できなくなる。そこで取引業者の営業マンは『我慢のしどころです。追証しないと元本がなくなってしまう。これから上がるので追証してください』と持ちかける。なんとか損をカバーしたい一心で、またおカネを払う。そうしてどんどん損が膨らんでいくのです。気付いてみれば1000万~2000万円まで損失が膨らみ、中には4億円の損失を出した人もいました」(前出・三島氏)

 しかもこうした取引を勧める会社の多くが、経済産業省などの許可をもらった、いわば政府公認の会社。信頼できると感じて手を出し、大ヤケドを負うというケースが多いという。

[外貨預金]

「銀行や証券会社などが扱っている金融商品は法律的には問題はないが、それだけで安心してはいけません。中には〝詐欺〟にあったような事態に陥ることもあります」

 そう言うライフカウンセラーの紀平正幸氏が例に挙げるのが、外貨預金だ。

「たとえばかつて新聞に『外貨定期預金1ヵ月ものに特別金利 年利20%』という大きな広告を載せた銀行があります。利率20%の定期預金と聞くと、1ヵ月で100万円が120万円になると錯覚してしまう人も多いでしょうが、実態は儲かるどころか損をしてしまうケースもあるのです」

 具体的に見てみよう。たとえば1㌦=100円のときに100万円をドル預金に預け入れるとする。この場合、円をドルに交換して預けるときにまず多くの金融機関では為替手数料が100円につき1円かかるので、実際に出すのは101万円。そして1万㌦が利率20%で運用されるわけだが、20%というのはあくまで「年利」であって、1ヵ月につく金利ではない。

 1ヵ月もの定期預金だと20%の12分の1である1・66%にしかならない。しかも利子からは20%が分離課税として引かれるので、税引き後の元利合計金額は1万133㌦。解約時にはさらに100円につき1円の為替手数料がかかるので、円に換算すると1万133㌦×99円で100万3167円にしかならない。最初に拠出した101万円とくらべれば一目瞭然、1ヵ月で6833円の損が発生するのだ。