やがて寂しき東大卒 なぜ彼らは「残念な人」で終わるのか?

新・職場の考現学
週刊現代 プロフィール

「最近は、東大の中でもトップクラスの学生は就職を希望しません。いまの東大生にとってカッコいいのは、NPOを立ち上げることです。官僚として国家を動かすのではなく、NPOで地域の活性化をやったり、貧困の問題に取り組んだりする。あるいは起業する。そういう傾向がありますね」

現在では、トップから落ちる人材が、官僚に流れているということか。

どこまでも東大卒

いまの会社で出世コースから外れるのなら、よりよい条件をもとめて転職するのも、ひとつの考えだろう。しかし、現実は甘くない。

人材ヘッドハンティング会社「佐藤人材・サーチ」の佐藤文男代表が語る。

 

「東大卒で転職を繰り返す人は、えてして他人から吸収しようという謙虚さがありません。こういう人が転職する動機は、決まって自分は職場で正当に評価されていない、というものです。評価されないのは周囲が間違っているからだと考えているのですが、転職しても、同じ理由ですぐにやめてしまう。そうして1~2年の周期で『こま切れ転職』を繰り返していきます。

30歳、40歳と年齢を重ねてからの転職が厳しいのは、東大卒も同じです。しかも、自分が東大卒であるというプライドは年齢が高くなるほど前面に出る傾向があります。でも、東大卒というだけで大企業に採用されたのは昔の話。特に、昨今はリストラで早期退職に手を上げる東大卒も少なくありませんが、そのなかには同期の中でも出世が遅く、評価されていない人が多くいます。そういう人が転職先で成功するのは現実には難しい。また、いまは中間管理職のポストがどんどん減っていますから、転職は厳しくなる一方です」

いつまでも、周りが間違っている、自分は正当に評価されていない、と思い続け、プライドが高くて他人の意見を聞きいれられない東大卒。

出世の目も消え、転職もできずに、新入社員に「あの人、東大卒らしいよ」とささやかれ、意外そうな目を向けられる。勉強ができるなら民間に行かず、官僚になっていたほうが幸せだったのかもしれない・……。

だが、待てよ、日本はそんな官僚たちのおかげで大変なことになってしまったのだった。東大卒、残念。

「週刊現代」2011年10月22日号より