やがて寂しき東大卒 なぜ彼らは「残念な人」で終わるのか?

新・職場の考現学
週刊現代 プロフィール

「うちは東大卒で出世した人はあまりいないですね。俺は出世して当然、といった感じで泰然としているように見えて、要領よく立ちまわれる人に差をつけられていく。

東大卒は、『俺はお前らとは違う』とでも考えているのか、社内で人脈を作らない、独りよがりのタイプが多い。40過ぎくらいまでに現場を外されて、アーカイブの整理とか、テープの管理とか資料室といった閑職にまわされたり、制作会社に出向させられたりする社員が多いんです」

大手IT機器メーカー勤務の小川貴史氏(仮名)が接する東大卒は少々やっかいだ。小川氏の事務所では、個々の社員の席は決まっていない。パソコン類やオフィス用品は、帰宅する際にロッカーにしまっておき、出社してからおのおのがロッカーからパソコンを出し、仕事をしたい机で、勝手に仕事をはじめるシステムになっている。

「東大卒の社員は、年齢に関係なく、なぜか自分の机に固執するんですよ。早く出社した社員が、前日その東大卒の社員が座っていた場所で仕事をしていると、ボケーッとしてずっとその後ろで立ち続けているんです。

仕事を始めないのか聞くと、『ここは私の席です、ここじゃないと能率が上がらないんです』と答える。こうなったら、もう絶対に自分の考えを曲げないんですよ」

決められたことをやるのには強い東大卒だが、いまの世の中それだけでは通用しない。

これまで40代から50代の人々を中心に紹介してきたが、彼らが入社したのは'80年代から'90年代前半で日本の景気は右肩上がり。その当時は、決められた業務をこなし、前例にのっとってソツなくこなしていけば業績を伸ばすことはさほど難しくなかった。

しかし、昨今の情勢は厳しい。前出の城氏はこう解説する。

 

「官僚に必要なのは、目の前の課題に対し前例のなかから最も効率的な解決策を組み立てる能力。こうした能力を社会が求めていたのは、バブルが崩壊するまでです。その後は政治、経済、社会体制ふくめて戦後日本が一貫して続けてきたものが制度疲労を起こして通用しなくなってしまった。現場レベルでも同様で、なんとか新しいやり方を見出すための努力を続けている。

しかし、残念ながら東大生には新たに切り拓く力はない。東大卒のブランド価値が低下しているのもそのためです」

また、いままさに就職活動中の東大生の中にも、将来の寂しい姿が見え隠れする学生がいるという。就活事情に詳しい人材コンサルタントの常見陽平氏は語る。

「ダメな東大生というのは、独善的ですよね。こういう東大生はグループディスカッションをさせると、他人の話を聞かなかったり、自分の意見に従わせたり、見下す傾向があります。

このタイプは管理職になっても、まったく部下がついてきません。なまじ頭がいいから、人の話を理解しようという姿勢に欠けているのではないでしょうか」

ちなみにかつては東大卒といえば官僚の道を選ぶのがひとつの王道だったが、いまは様子が違うようだ。常見氏は続ける。