やがて寂しき東大卒 なぜ彼らは「残念な人」で終わるのか?

新・職場の考現学
週刊現代 プロフィール

ジョークとか、わざとイヤな奴を演じているとかじゃないんです。ずっと『せめて私大くらいは出てないとねぇ』なんてしゃべり続けているんですから」

ディレクターならタレントをその気にさせる如才なさも身につけるべきだと思うのだが、AD時代には抑えていた本音が出てしまったのだろうか。

頭はいいんだけどね

大手情報サービス会社で働く東山伸夫氏(仮名)は、上司とのコミュニケーションに頭を悩ませている同僚の様子をこう語る。

 

「東大の理系出身の50代の上司なんですが、徹底的にロジカルな人で、仕事はできるんです。本当に頭がいいんだなぁ、と感心してしまう。でも、他人にも、すべてのことにロジカルな説明を求めてくるから困ってしまうんです。

僕らからしたらどうでもいいことでも、自分が納得するまで深掘りして説明を求めるから、部下はまいっちゃってます。裏では『法律』とか『マシーン』なんてあだ名で呼ばれていますよ。

この上司、いつも部下をランチに誘うんですが、断るときは、詳細に理由を説明しないと納得しないので、面倒ですね」

もちろん論理は重要だが、人間は論理のみで動くわけではない。部下の感情さえ読めないのに、顧客のニーズなど読めるはずもない。

頭はいい。知識も豊富。人柄も特段悪くはない。でもなぜか職場になじめず、周囲から浮いてしまう東大卒。せっかくの頭脳が生かされないのはなんとももったいないが、その最大の要因はやはり高すぎるプライドにある。

歪んだプライドは、人間関係を停滞させてしまう。大手家電メーカー社員の岡山明裕氏(仮名)の同僚はまさにそのタイプだ。

「うちは東大卒の社員は少ない。それだけに会社は大事にして、出世もしています。彼らに共通するのはとにかくプライドが高いこと。

たとえば経済学部出身の社員は、役職のある人にしか話をしないという癖があった。平社員が仕事で話しかけてきても、『何でお前がオレのところへ来るの』という顔で話も聞きません。無視していますね。自分は出世して当然という態度がミエミエで、人事部の人間には自分から話しかける、そんな自分本位のわがままなタイプがいますね。

仕事でアポイントを取るときも、まったく相手のことを考えていない。自分の都合ですべて時間を決めていくんです。相手が自分に合わせて当たり前だと思っているんですね。自分の時間に合わせて人が動くと勘違いしているんですよ」

相手の5分の遅刻は許さないが、自分は平気で30分も遅れてくる。「俺の時間とお前の時間は価値が違う」とでも言うかのようなおかしな感覚も、彼にとっては自然なことなのだ。

前出の森山氏とはまた別の在京キー局の幹部クラス社員の飯島直樹氏(仮名)はこう語る。