尿意が意思決定に与える影響~2011年イグ・ノーベル医学賞受賞研究から

 一定以上の不快感を伴わない尿意は意思決定に影響を及ぼしませんが、我慢の限界に近づく激しい尿意を我慢することは、集中力や記憶力に大きなマイナスを及ぼすそうです。

 これは2011年9月29日に発表されたイグ・ノーベル賞のうち、医学賞を受賞した、尿意が意思決定に与える影響についての2つの研究結果によるものです。

 オランダ・トゥウェンテ大学Mirjam Tuk博士らがPsychological Science 2011年5月号に発表した受賞研究では、トイレには行きたいとしても、それがある一定以上の不快感をこさなければ、人はより良い決定ができるというものでした。

 博士らは尿意を我慢している被験者に対して色文字を使って意味と文字の色を答えさせる課題を行ったり、衝動的な金銭上の意思決定に抵抗する能力などを調べた結果、上記の結論を得たということです。

 次の米国・ブラウン大学のPeter J.Snyder博士らがNeurology and Urodynamics 2011年1月号に発表した受賞研究は、尿意が我慢の限界に近づき苦しい水準まで達すると、集中力の持続や作業記憶などの機能に大きなマイナスの影響が出るというものでした。

 博士らは8人の健康な青年を被験者として15分ごとに250mlの水を、もうこれ以上は尿意が我慢できないというところまで飲ませた上で、認知遂行機能を測定する実験を行い、その結果、上記のような結論を得て、激しい尿意を我慢することが、過失による事故の増加に関係していることが立証できたとしています。

医療ジャーナリスト 宇山恵子
Psychological Science 2011年5月号
Neurology and Urodynamics 2011年1月号


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