Close up 高橋由伸
巨人「甦った フルスイング」

フライデー プロフィール
春のキャンプでは一日1000スイングの素振りをこなし、手のひらはマメだらけ。「できやすい体質なんです」

 そして4年16億円の大型契約の最終年となる今季、高橋は「選手生命を懸ける」と悲壮な決意で臨んだ。1月9日からの沖縄での自主トレでは、2日目に早くもフルスイングでのフリー打撃を開始。春のキャンプでは、昨年一日200~300スイングに抑えていた素振りを、手術前の1000スイングに戻す。高橋は、数年ぶりに戻った身体のキレを感じていた。

「一日1時間のマッサージは続けていますが、腰はまったく問題ありません。ベンチのクッションも外しました。不安を抱えながらバットを振っていた昨年とは雲泥の差で、思い切り振れています」

 解禁した練習もある。腰への負担を懸念して昨年は封印していた、鉛入りのボールでのティーバッティングだ。見た目は今季採用された統一球と変わらないが、重さは約3倍の500g。鉛を打つことで、インパクトの際にボールを押し込む力を鍛えることができる。

「バットとボールが触れる時間を少しでも長くすることを意識しながら、中堅から逆方向に一日100球ほど打ち込みました。統一球は飛ばないと聞いていましたが、あれほど飛ばないとは・・・・・・。鉛のボールでのティーバッティングを繰り返すことで、統一球の低反発性に負けない打球を飛ばせるようになったと思います」

苦しみ抜いた末の決勝打

 久しぶりに万全の態勢で迎えた4月12日のヤクルトとの開幕戦。高橋は、5番ライトで先発出場した。2戦目で早くも今季初本塁打を放ち、手応えを掴んだ高橋。だが2週間後、さらなる災難が襲う。4月26日のヤクルト戦で、打球を追ってライトフェンスに激突。左肋骨3ヵ所を折り、全治1ヵ月と診断されたのである。