2011.03.18
# 雑誌

神童の法則 才能はいかにして開花したか。親たちが語る「天才少年・少女」の育った環境、育成理論

第1回 演歌歌手さくらまや「大丈夫か、うちのコ?」とさえ心配した異常な集中力
フライデー プロフィール
両親とテディーと一緒に、窓からスカイツリーの見える自宅で。「さくらまや」から「草野真耶」に戻る瞬間だ

 ヘアメイクが終わり、衣装をピンクを基調にしたものか、ブルーのものか、どちらかに決めることになった際、「こっちのほうが、ちょっとアイドルっぽくて可愛くない?」とスタイリストが提案すると、まやさんは毅然として言った。

「まやはアイドルじゃないよ」

 由美子さんは「家族がバラバラなのは辛いこと」と漏らした。が、まやさんの仕事を減らしたり、引退させようなどとは考えていない。

「引き返せないですよ。北海道を出てくる時、地元のメディアに報じられて、(帯広)市の皆さんも応援してくださって。それに、まやはスケジュール表を見て『仕事がなければないで、虚しいもんだね』なんて言うんですから」

 ただ、東京生活も1年を越え、母娘の間に約束ができた。

「もっといろんなことをやろう」

 演歌だけ、目の前の仕事だけにのめり込むのは止めようという誓いだ。「まやはこれから何にでもなれる」という両親の思いが背景にある。二人は毎朝、BSのチャンネルをつけて、日本国内だけではなく世界のニュースを知るようにしている。寝室には、旅行で使えるフランス語会話の本が置かれていた。これについては並はずれた集中力を持つまやさんが由美子さんをリードしているという。

AKB48の峯岸みなみがホステスを務めるトークコーナーに出演。「将来は、本を書いてみたい」とも語っていた

 一緒に料理もする。トーク番組収録の日の朝は、パンを焼いた。父親が上京した日は、一緒にたこ焼きを作った。

「勝手にひっくり返そうとすると、〝仕切り屋〟のまやに叱られるんです。僕のほうが性格的に我慢ができないというか、子供なんで、まやのほうがずっと大人ですね。でも、それは教育してそうなったわけではなく、仕事を始める前からそういう子だったんです」(一義さん)

 ある日、小学校で「人は何のために働くのか」という議題で討論する授業が行われた。帰宅したまやさんは、どうにも釈然としない顔だったという。聞けば、授業時間内では「夢を実現するため」といった結論に落ち着いたからだった。

「夢のためかな? 生活のためだよね」

 由美子さんに問いかけるまやさん。クラスに働いている児童は、おそらく他にいない。両親以外の大人たちの狭間で生きるまやさんが、〝小学6年生向け〟の単純な結論に納得できなかったのは当然だろう。彼らと仕事をするということは、大人の「生活」を目の当たりにするということだからだ。

「まやは、『さくらまや』として求められた役割を果たさないといけないことを知っています」

関連記事