「リバウンドしない」「夕食は好きなものを食べる」名医のダイエット

本邦初公開!
週刊現代 プロフィール

朝と昼を軽くする

横倉恒雄医師は脳とダイエットの関係に注目

最後に脳の働きに注目したダイエット法を紹介する。

「夕食は好きなものを、心ゆくまで食べてもいい」

そう語るのは、婦人科医で横倉クリニック(東京・港区)理事長の横倉恒雄医師(63歳)だ。ちなみに身長172cmの横倉氏は、35歳のときに体重が80kgもあり、水泳だけのダイエットを行ったが、10kg減量するのに10年もかかったという。そこで、さらなる減量のために肥満に関する論文を読んでいたところ、人間の脳のメカニズムに注目したという。

「脳の中に間脳と呼ばれる部位があり、食欲や自律神経、ホルモンの分泌を司っています。

この間脳に強いストレスがかかると、自律神経や満腹中枢が過剰反応し、過食につながる。肥満の元凶は、脳が受けるストレスなんです」

脳下垂体ホルモンの研究が専門の横倉医師は、脳の疲労を取るには、「快食療法」が効果的だと考えた。

食事制限をせずに、逆に夕食は好きなものを好きなだけ食べるのである。

「たとえば炭水化物抜きなどの食事制限をしていると、大脳は体が飢餓状態にあると判断し、空腹の情報を間脳に送ります。間脳は生きるための活動に必要なエネルギーを得るため食欲を増進させ、腸管は栄養の吸収が高まり、体内に溜め込もうと代謝が鈍くなる。

一方、快食の状態にあるとき、脳はどう作用するのか。間脳は満たされた状態で栄養は十分と判断し、腸管での吸収は抑制方向に、余分なエネルギーは体外へ放出するよう代謝を活性化させるのです。さらに間脳は、大脳に満足感の情報を送るので食欲は抑えられるというわけです」

横倉医師の普段の食生活は、まず夕食は「快食」。

「たとえば立食パーティなどであれば、もう全部のメニューを私は食べますね」

 

ただし翌日の朝食はいつもコーヒーを一杯、昼食は蕎麦を軽く食べるだけ。

「前日の夜に十分に満足感を得ていますから、翌朝は食べたいという欲求が起きません。そもそも起床後、2時間は脳も体の細胞も目覚めていないため、寝起きに体に入れるのは水分で十分。

ただしコーヒーには黒砂糖を入れます。糖分は脳を活性化する作用がありますからね。昼食も食べすぎては、午後は仕事にならない。お腹をすかせば、夕食は美味しくなりまた満足感を得ることができます」

この快食療法を始めてから、横倉氏は半年で体重が5kg減った。現在は、それからさらに3kg落ち、体重は60kgほどだという。

「予防医学上の禁止や抑制の指導は、脳が疲れている人には〝不快〟として記憶され、かえってストレスを増強してしまうことがあるんです。ただし毎日体重を測ることも、人によってはストレスになりますが、それが〝快〟の行為となる人もいる。

自分に合うダイエットは何なのか、実際に体験して、ストレスを感じない方法を探してください」

成功への近道は己を知ることである。

ダイエットPhoto by GIRLY DROP