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「リバウンドしない」「夕食は好きなものを食べる」名医のダイエット

本邦初公開!
「○○ダイエット」という情報で溢れかえっている現在、いったい何を手本としたらいいのか。本誌は減量に成功した医師たちに話を聞いた。医学的知識を持つ彼らこそ、正しい方法を知っている──。

酒はOK、炭水化物はダメ

「僕は47歳のとき、3ヵ月で約20kgも痩せましたよ」

そう語るのは、婦人科系がん治療の名医である東京医科大学(新宿区)産科婦人科学教室教授の寺内文敏医師(50歳)。身長179cmで、現在の体重は65kgほどの寺内医師だが、ピーク時の体重は85kgだった。

「太りだしたのは40歳を過ぎてからです。食事時間が不規則なうえ、出前ばかりで、どうしても脂っぽいものが多かった。月7回ほどある当直の日になると、夜中の12時過ぎにトンカツ定食みたいなものを食べて、すぐ仮眠するものだから、太るのは当たり前です。

がんの手術では執刀医は立ちっぱなしで5~6時間かかることはざらです。長いときは10時間近くになることもある。それが、だんだん手術が終わると膝がガクガクするようになった。これは体重の影響だと分かりましたので、ダイエットすることにしたんです」

多忙ななかで、現在の体重に戻すことができたのは、寺内医師が考え抜いた減量法を実践したからだ。

 

「そもそも肥満は摂取カロリーと消費カロリーのアンバランスが原因で起きる。そこで、常に消費カロリーが摂取カロリーを上回る生活をしようと決めました」

寺内医師は消費カロリーを増やすには、脂肪を燃焼させる有酸素運動が一番だと考え、週3回、スポーツジムで30分間水泳をすることをノルマにした。

「筋トレをして筋肉がつきすぎると細かい動きができなくなり、外科手術が下手になってしまう可能性があるんです。だから、筋肉量は落とさず体脂肪を減らすために、水泳を選びました。

基本的に水泳は苦手で、しかも、クロールしかできない(笑)。最初は500m泳ぐのが精一杯でした。でも、クロールの酸素消費量は他の泳法よりずっと多くて平泳ぎの約2倍です。海外の学会に行くときもプールのあるホテルを選んで、空き時間に泳いでいました。帰国した日に成田からプールに直行という日もありましたね(笑)」

食事面でも摂取するカロリーを設定し、それを超えないよう心掛けた。

「成人男子で私の体型だと、日常生活で消費するのは約2000kcal。そこで、1日の摂取量を1700kcal以下、1週間で1万1900kcalと設定しました。ですから、体重計に乗るのも週1回だけ。

1週間単位にしたのは、毎日、厳密にカロリー計算していると、どうしても、ストレスが溜まってしまうから。食べ過ぎた日があれば、翌日は控えめにしてトータルの数字が目標と合えばいいと考えたんです」

間食は一切なし。ただし、「お酒は止めるとストレスになる」ということで、チューハイからカロリーの低いウーロンハイに切り替えたものの飲み続けた。

「食事は基本的に朝食はおにぎり2個くらい、炭水化物を控えたいときには牛乳にコーンフレークとゆで卵。昼は蕎麦に豆腐をつけたりして朝昼で合わせて500kcal。夜はお酒は飲みましたが、つまみを減らし、野菜をよく食べて炭水化物は取らない。この食事量でも特にストレスを感じませんでした」

いまも、週1回はプールで泳ぎ、食事量の調節も欠かさないという寺内医師。

「水泳のおかげで減量しても筋肉が落ちていませんので、基礎代謝量も落ちていません。ですから、リバウンドはありませんね」

41kg落としたダイエット

肝臓がん治療の権威、日本大学医学部附属板橋病院(東京・板橋区)の消化器外科教授の高山忠利医師(55歳)もカロリーバランスを重視する。食事は野菜中心の和食。カロリーや塩分を抑えるため、自宅では醤油は出汁醤油に、ドレッシングは自家製のタマネギドレッシングを楽しんでいる。

「夜は付き合いでどうしても飲む機会が多いので、アルコールを摂る分、食事は高カロリーなものは控えるようにしています。

運動は、この1年ぐらいはジムのマシンで1日10kmは走っています。普段は仕事を終えた夜、週末は昼間。それで体重が5kgぐらいスッと落ちました」

長時間の手術に備え、外科医は日々のカロリーコントロールに余念がない。