2011.03.10

フランスワインをしのぐカリフォルニアワインの魅力って何ですか?

中川ワイン販売オーナー・中川一三さんに聞く
中川ワイン販売の中川さん(左)と内藤忍さん(右)

 今回は、日本におけるカリフォルニアワイン輸入元のパイオニアといわれる、中川ワイン販売の中川さんです。

 中川さんは、カリフォルニアで開催されるワインオークションに毎年参加し、希少なカルト・ワインの買い付けをされており、現地の文化・人にも精通している業界屈指の存在です。

 そんな中川氏が所有する希少なカリフォルニアワインが眠る部屋で、実施されたインタビューをお届けします。

色々なワインを飲んでいるうち、いきついたのが「カリフォルニアワイン」

内藤: 中川さん、今日はよろしくお願いします。

中川: よろしくお願いします。

内藤: 早速ですが、中川さんがワインビジネスを始められたきっかけを教えてください。

中川: ビジネスという意味では、僕の甥がやっていたワインビジネスを4年半ほど前に、息子と一緒に引き継ぐことになったのが始まりです。もちろんそれ以前からワインとは出会ってはいたわけですが(笑)

内藤: 中川さんは、いつワインと出会われたのですか?

中川: 1959年にアメリカに行った時ですね。当時は、アルコールはあまり飲めなかったんです。飲んでいたアルコールは日本酒や老酒など・・・。僕は野菜は一切食べないのですが、友人から「ワインは身体にいいから」と勧められ、ワインを飲むようになったんです。

内藤: なるほど。はじめは健康のためだったんですね。中川ワインは甥っ子さんがはじめられたということですが、その後どのように展開されてきたのでしょう?

中川: はじめはフランスワインの方が多かったですね。ただ飲んでいるうちに、自然とカリフォルニアワインの美味しさに目覚めました。1990年代になって、カリフォルニアワインは一気に変化し、よくなったんです。

内藤: ヴィンテージが90年ということですか?

中川: そうですね。もちろん、その前からカリフォルニアワインは流通していましたが、農家の方が副業でワインづくりをしているケースが多かったんです。82年頃からニューヨーク・シカゴの引退したお金持ちがカリフォルニアに移り住むことにより、資本が増え、発展したわけです。

 アメリカ人が余生をすごしたいと思う土地がカリフォルニアなんですよね。そういうわけで、ビジネスで成功した人たちがカリフォルニアに移住し、趣味でワインビジネスをはじめ、カルト・ワインがつくられるようになった。それが90年頃の話になります。

内藤: ワインビジネスをされていて、世界中のワイン情報が集まってきた。そして、色々なワインを味わううち、「(カリフォルニアワインは、)やっぱりちょっと違うぞ」と思って、カリフォルニアワインにいきついたということでしょうか?

中川: そうですね。カリフォルニアワインとフランスワインの両方を提供していても、カリフォルニアの方が圧倒的に評価が高かった。カリフォルニアワインとフランスワインを一緒にだすと、カリフォルニアワインはあっという間に空になってしまい、フランスワインのラトゥールやマルゴーなんかが後に残ってしまうという・・・。ここ15年くらいそういう傾向ですね。

内藤: カリフォルニアワインとフランスワインをブラインドテイスティングすると、味では完全にカリフォルニアワインが勝っているということでしょうか?

中川: 味だけでいうとカリフォルニアワインの方が圧倒的に美味しく、フランスは勝てていないと、私は思います。ただフランスワインはやはりその名前、ブランディングによって一定の評価を得ているのです。

内藤: カリフォルニアワインについては、知っている人が少ないですもんね。

中川: そうです。少ないですよ。カリフォルニアワインは、分かる人には分かるので、すごい勢いではまっている人も多いですが。

 今は、中国人がカリフォルニアワインにあまり興味を示していないから入手も楽ですよね。

内藤: これから中国人の興味がカリフォルニアワインに向かってくると、ボルドー5大シャトーのような存在になるのでしょうか?

中川: それは、あまり考えられないですね。中国人向きなのはボルドーの中でもラフィットのみですから。やはり彼らにとっては、ブランドが重要でしょう。

 僕はラフィットやムートンを飲んで、美味しいと感じることは、正直あまりないですね。

内藤: (笑)「ブランドによって評価されている」と。

中川: はい。

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