第3回はこちらをご覧ください。
田原: ウィキリークスの情報公開に、ニューヨーク・タイムズとか、あるいはガーディアンとか、ル・モンドなど、いろんな国の報道機関が協力したわけですね。
野口: いや、全面協力ではないです。
田原: どういうことですか?
野口: 彼らは、ジャーナリストですから、裏取りなどフィルターをかけたのです。ウィキリークスから公開する前に相談があるわけですが、それを全部見て、これは自分たちの紙面で出す、これは出さないと自分たちの意思で決めてました。
田原: ウィキリークスは、ガーディアンやニューヨーク・タイムズへ情報を持って行くのに、なぜ、日本の新聞には持って来ないんですか?
野口: 日本の存在はやはり小さいって、僕は感じましたね。
田原: 知らないのかな? 日本なんて国を。
野口: いや、知ってはいます。アサンジにロンドンで会った時には、日本へ行きたいと言ってました。講演をやるんだったら、俺がアレンジするよって言ったら、「そうかそうか、行くよ」って言ってました。それが、最後の会話になったんですけども。日本に興味はあります。ただ、日本は存在として、あんまり大きくはないんです。
田原: ということは、ウィキリークスは日本の内部告発なんて、あまり当てにしてないと。
野口: 日本からでも内部告発が来ればやりますよ。また事実、彼らが入手した公電のなかには日本がらみのものもある。世界を変える中に日本も入ってますから、やるでしょう。でも、彼らが一番やりたいのは、アメリカ。その次がやっぱり中国ですね。
田原: 中国ですか。
野口: はい。中国については、やり方を変えてトライしたいと言ってました。
田原: まだ、中国はやってないんですか?
野口: いや、やろうとしてるんだけど、情報が来てないみたいですね。
田原: 中国って、どうですかね? 内部告発が来ますかね?
野口: いや、難しいと思います、それは。アサンジは、「とにかく、いまのやり方では中国はできない」って言ってましたね。
田原: なぜできない?
野口: やり方を変えるんだと。
田原: 内部告発者がいない?
野口: そうですね。いまのところは中国の情報はないようです。
田原: でも、中国は、アメリカに次ぐというか、アメリカに近い国ですからね。もちろん、世界制覇を狙ってるわけだから、これはやっぱり、関心がありますよね、とっても。
野口: そうですね。だから、彼と彼の仲間の中には、絶対中国っていうのがありますよね。だって、彼らの理念は、「世界を変える」ってことですから。
田原: そうね。
野口: 情報を出して。情報提供者からもらって、内部告発者からもらって、それで世界を変える。これですから。当然、対象はアメリカだけじゃなくて中国もありますし、日本もあります。