マネー大混乱時代を賢く生き抜く
いまこそ勝負のとき金はまだ買い、
投信はすぐ売れ

週刊現代 プロフィール

 前出の鈴木氏は言う。

「通貨選択型では、とくにブラジルのレアルでヘッジする投信などが人気ですが、もう持たない方がいいと思います。新興国の債券の多くは、インフレリスクが懸念されて売られ、下がっています。今後も相当下がる可能性があります。

 グローバル・ソブリンも基準価額がどんどん下がって、資金流出が止まらず、ほとんど〝死んだ〟状態です。あとは運用できなくなるのを待つしかない。手放す方がいいでしょう」

 毎月の分配金がもらえるからという理由で売るのをためらうと、後で大損する羽目になりそうだ。鈴木氏によると、定年退職したばかりの人が、営業マンに薦められるままに退職金で通貨選択型ファンドを買い、下がってどうしようもなくなっている---というケースもかなり増えている。

「インドの株式に投資する投信はこれまでかなり上昇してきましたが、この先はまったく不透明です。少しでも利益が乗っているのなら、すぐに売ることです。

 インドだけでなく、アジアの新興国は総じて危機モードに入っています。ギリシャがデフォルトして第二のリーマン・ショックが起これば、欧米の投資資金は一気に引き上げられる。そうなれば、一番下げが厳しくなるのは新興国です」(投資評論家・山本伸氏)

 市場が低迷しているのは、株式や債券だけではない。不動産もまた沈滞し、好転の兆しはほとんど見られない。したがって、不動産投資信託、すなわちREITの先行きが厳しいのも容易に想像がつく。金融評論家の角川総一氏が言う。

「今後、東日本大震災と福島第一原発の事故の影響で、東北だけでなく、全国的に日本の地価はどんどん下がっていくでしょう。先日発表された、最新の基準地価くらいの安値ではすみません。やがて『不動産とは買うものでなく、借りるものである』という常識の一大転換が起こるはずです。だから日本のREITは『売り』でしょう」

 角川氏によると、日銀は昨年10月頃からREITや国債を買い入れるオペレーションを続けている。しかし、その原資もそろそろ乏しくなっているという。もし日銀の買い入れが止まったら、REITのさらなる下落は必至だ。

 やはり、いまのマネー大混乱時代に勝負に出て、サバイバルする秘訣は、「金は買い、投信は売り」のようだ。では、金に投資すれば必ず順調に儲かるのか。前出の豊島氏は警告する。

「金に唯一〝死角〟があるとすれば、それは中国のバブル崩壊です。中国政府は、インフレによって国民の間に不満が高まり、暴動が起こることを恐れています。インフレを抑えるべく、共産党の長老は『金融引き締めをせよ』と言っているのですが、今後、人民銀行(中国の中央銀行)がそれに従って利上げをやりすぎると、経済は急に停滞してしまうかもしれない。いまの成長率9%が7%になったくらいでも要注意です」