ベストセラー『働く君に贈る25の言葉』の著者・佐々木常夫インタビュー
若者よ「出世すると、人生はもっと楽しくなる」

FORZA STYLE

一、時間予算を考えろ! 

「私は毎朝通勤の車内で、一日の仕事の流れをシミュレーションしています。そして、その予想と実際に掛かった時間の差を日々縮めていくと、格段に仕事が速くなっていくのです。サラリーマンの場合、手帳の空白の時間のうち、本当に自分が使えるのはわずか30%に過ぎません。例えば来週の金曜日までに空白の時間が10時間あるとしても、突然の来客や電話、上司からの呼び出しなどによって、約7時間は飛んでしまいます。だからこそ残りの3時間は絶対に誰にも邪魔されない時間として確保し、重要性や緊急性が高い仕事のために充てるのです。その時間は会議室へ籠もるなり、喫茶店に行くなり、自宅で仕事するなどして、自分の席から"避難"するのも手です」

佐々木氏の座右の銘。「人は不合理で、わからず屋で、わがままな存在だ。それでもなお人を愛しなさい」

二、拙速を旨としろ!

「以前、私のことを"手抜きの佐々木"と称した上司がいましたが、これはある意味当たっています(笑)。例えば、ある上司から『30分後にA社を訪問するので、A社の概要がほしい』と言われたら、私なら、部下かアシスタントを使って会社概要をプリントアウトし、自分の会社との取引状況と、面談する相手のプロフィールを調べるなどして30分ほどで資料を渡します。しかし、重要度の低いこの程度の作業を、1時間以上もかけて完璧に、見栄えもよく仕上げる残念な人もいます。仕事の軽重を見極め、重要性の低い業務に時間を割かないのは、優秀なサラリーマンに欠かせない資質です」

 そんな佐々木氏が時間を有効に使うため、最も重きを置いていたのが上司とのコミュニケーションである。

三、"部下力"を鍛えろ!

「課長時代の私は、2週間に1度、部長に約30分のアポを取り、相談事を紙に書いて、見やすい形で伝えていました。この作業が仕事をスムースに進め、上司からの信頼に繋がったのです。仕事を早く片付けるためには、その上司とうまくコミュニケーションを取る"部下力"が大いに物を言います。上司に仕事の相談をする時、その重要性が高いほど、『もう少し練ってからにしよう』と考えて後回しにする人は多いと思います。しかし、その心理的な距離感がムダな時間を生むのです。そして締め切りギリギリに仕事の進捗を報告された上司は、『もっと早く言えよ!』と不要のストレスを感じることになる。しかも、その報告がトンチンカンだったり、仕事の進め方が間違っていた時は、その驚きが、たちまち不信に変わります。仕事の進め方を逐一上司に相談、報告する部下力こそが、時短に欠かせない能力なのです」

 佐々木氏は最後にこう締め括る。

「もちろん仕事が速いからといって、必ずしもその人が出世するとは限りません。例えばあなたが管理職だったら、自分の仕事を早く終えたからといって、チームの仕事を手伝わずに帰ってしまうような部下を、引き上げたいと思うでしょうか。出世は結局、"人間力"の競争です。『ウソをつかない』『友だちを大事にする』などといった、人として基本的なことができる人間が、リーダーになるのです。繰り返しますが、リーダーになって出世すれば、人生はより楽しくなります」

 時間を制することは出世の必要条件だが、それだけではまだ足りない。人間力を磨いてこその、楽しい人生なのだ。
 

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