2011.09.29(Thu)

田原総一朗×浅川芳裕×福島の農業経営者たち「農作物の安全、国民の安心のために何をすればいいのか」

『現代ビジネス@福島』キックオフ座談会VOL.2

筆者プロフィール&コラム概要

 本来は汚染の濃度が高いところには除染に対してお金を払うべきで、農産物が売れないわけですから、冒頭で申し上げたように、「国民の食生活を守る」という形に農家のミッションを変えていく必要があります。

田原: 必要な措置が遅れるのは、どこが悪いんだろう。やはり縦割りなのがいけないのですかね。

浅川: 放射性物質が元々合法だからです。合法なものに対して違法とは言えないというのが問題なのだというのが、私が取材して感じたことです。

田原: 合法性というのは量で変わるんですか。たとえば1mSvなら合法だけど、1000mSvなら違法だ、というふうに。

浅川: いや、そうじゃないです。環境三法とは別の法律で、たとえば大学や病院などで「屋内で」どれだけ汚染されたら違法だという法律ならあるんです。つまり、放射性物質が屋外に放出されるという事態を想定していないんです。ところが、今は野外のほうが放射性物質を扱う専門家の研究室なんかよりも遙かに汚染の濃度が濃い、という想定外の事態になっているわけです。

 ですから、牛が汚染された件では稲藁から高濃度の線量が検出されましたよね。あれなどは研究室で扱っている放射性物質よりも線量が高いわけですが、そういう事態を想定した法律はまだないんですよ。

 今になってようやく環境省に一本化するような流れですが、内閣府にするか環境省にするかでもめて、ニュートラルだろうからと環境省になった。今予算を組んで、とやっているのですが、そうは言っても人材がいませんから、文科省や経産省から人を呼んでくるという形になりますよね。そうするとどうなるのかな、と。今まで通りのことをするのか、国民の常識に合致した対処ができるのかな、と思いますが。

田原: たとえば環境省に任せるとして、環境省でどうしようもないということになれば、誰が環境省を刺激して早急に動かせばいいのかな。

浅川: 少なくとも予算は付いて、先日も二次補正の予備費で2200億円付いたということですが、そのお金が誰に行くかということが問題ですね。本来ならば、自分の農地については農家の方が除染の活動をするに対してお金をつかうべきだろうと思います。せっかく民主党が個別所得保証で農家に直接お金を振り込む仕組みを作ったわけですから、それを使えばいいわけですね。

 しかし、その予算が企業に行ってしまうと意味がない。たとえば東京の企業が除染の活動をするということで「一反当たり100万円で請け負います」という委託事業になってしまって、「ああ、きれいにしてくれてありがとう」という形になってしまうと本末転倒でしょう。

田原: そういうのは、政府だったら誰がすればいいのかな。

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@福島

福島県から、福島の、そして日本の未来を考える。ときには東京からも情報を発信します。