2011.09.29(Thu)

田原総一朗×浅川芳裕×福島の農業経営者たち「農作物の安全、国民の安心のために何をすればいいのか」

『現代ビジネス@福島』キックオフ座談会VOL.2

筆者プロフィール&コラム概要

田原: そういうのは政府が考えなきゃダメでしょう。

浅川: 政府は最初から「安全だ」と言ってしまったわけですからそれができない。チェルノブイリの場合は、事故が起こって一週間でコルホーズの汚染マップを出したんですよ。それで3カ月後から除染を開始しているんですが、日本の場合は25年前の経済危機の最中にあったソ連よりも対応が遅いわけです。

田原: なんでそんなに遅いんですか。

浅川: 元々放射性物質が違法じゃなかったからです。環境三法がありますね、土壌汚染対策法とか。第一条をみれば書いてあるんですが、放射性物質は有害物質ではないから適応除外、ということで、合法なんです。合法だから、東電に対して取り調べが行われたりしないのです。海洋汚染防止法や大気汚染防止法もそうですね。

 今は環境省が原発事故の除染の管轄官庁なんですが、原発事故が起こってすぐ「環境汚染なんだから環境省の管轄だろう」ということで環境省に取材したんですが、「合法です」という答えでした。ずっと合法だと言ってきて、ようやく除染するという流れになって、今から頑張りますということになったわけですが、「われわれには放射能の知識はまったくありません」と言うんです。

田原: じゃあ、日本の役所だとどこが今まで原発を管掌していたんですか。

浅川: 文科省ですね。皆さん経産省の話をなさるんですけど、元々原発は科学技術庁の管轄だったのですが、文部省と科学技術庁が合併して文科省になったわけですから、本来は文科省の管轄なんです。ですから、汚染マップについては文科省の責任であることは間違いないですね。

 本当は縦割りの管掌範囲なんて関係ないんですよ。事実として放射性物質が出たわけですから、測定したり除染したりするのはどこでもいいんですよ。でも、たとえば海洋汚染の場合は、水産資源と関係するから農水省で海底は文科省なんです。ではなぜ農水省が動けないのか、除染の予算がすぐに出ないのかというと、環境省の環境規制上は合法だから、今回農水省には除染の予算が5億しか出ませんでした。

この連載記事のバックナンバー
トップページへ戻る

@福島

福島県から、福島の、そして日本の未来を考える。ときには東京からも情報を発信します。