2011.09.29(Thu)

田原総一朗×浅川芳裕×福島の農業経営者たち「農作物の安全、国民の安心のために何をすればいいのか」

『現代ビジネス@福島』キックオフ座談会VOL.2

筆者プロフィール&コラム概要

田原: 佐藤さんのところは測ってらっしゃるんですか。

佐藤: 土壌につきましては、空中の放射線量については0.45μSvのときの表層を5cmとって、今度はkg当たり何Bqかということで測りますと6000Bq弱くらいになりました。そうすると、稲の場合は5000Bq以下でないと耕作できませんから、その状態では耕作できないですよね。

 表土を5cmとって深さ15cmまで混合して測りますと、簡易検査で100Bq以下は未検出になる機械では未検出になりました。ですから、われわれの圃場ではどんな作物を作っても放射線が検出されることはないだろうと思います。そういう自信は持っています。

田原: それを公開したら、信用されますか。

浅川: 佐藤さんの場合は直売所ですから、お客さんが見えているわけです。そうすると有効だろうと思います。

佐藤: 問題は、われわれは放射線を検出する計測器を持っていないですから、委託せざるを得ないのです。その場合は最低でも検査結果が出るまで10日くらいかかるんです。そうしますと、野菜は生鮮食品ですから収穫しても結果が出てお客さんに公開するまでに10日から2週間くらいかかるので、その間にその野菜の収穫適期が過ぎてしまいます。それで、商品価値がどんどん下がってしまいます。

浅川: これは提案なんですが、お客さんも放射性物質に関する知識はそれほどお持ちでもないし、農家の方々もそれほど詳しいわけではない。そうすると、これは茨城の産地でやっていることなんですが、農家の方々がお客さんを呼んで放射能勉強会を開催するというのはどうですか。

 計測を委託すると時間がかかるという問題については、今度、放射線の簡易測定器で、15万円程度の低価格ながら3倍程度の価格の計測器と同じ精度に近付けた製品が堀場製作所というところから出るんですが、たとえばそれを買って計測してみるというのはどうですか。

佐藤: 今は100Bq程度の精度の検査で1サンプル5000円程度、30Bqまでの精度の検査なら1万円くらいですね。われわれがお客さんの目の前で検査してデータをを見てもらいたいということになると、3.8Bq未満不検出の精度で260万円くらいなんです。ですから、それをわれわれの経営規模で購入して検査するというのは、非常に難しいです。

田原: その計測器というのは、その場で検査できるんですか。

浅川: ええ、できますよ。それでたとえば、お客さんに県外から買った野菜を持ってきてもらって、その場で測ってみればいいんです。つまり、福島産の野菜を「うちの野菜は安全です」とやるのではなく、他府県産の野菜を持ってきてもらって、福島県産の野菜といっしょに測ってみるわけです。お客さんの目の前で測って数値が出るのですから、一目瞭然ですね。それをやれば、かなり不信感の強い人でも納得できるのではないですかね。

 また、勉強会について言えば、放射性物質の汚染に対して厳しい見方をしている先生を連れてくるというのも良いですね。こういう場合は、ゆるい見方をしてくれる先生を連れてこようと考えがちですが、むしろ厳しい見方をする先生を連れてきて講習会をやる。そういうやり方で、生産者と消費者の関係を越えて勉強し合う。

この連載記事のバックナンバー
トップページへ戻る

@福島

福島県から、福島の、そして日本の未来を考える。ときには東京からも情報を発信します。