都市ノマドの生態系 連載企画第1回

都市ノマドの出現

 昨今ノマドという言葉をよく耳にするようになりました。

 ノマドとはもともと遊牧民という意味です。この言葉が昨今ホットになっている背景には、情報インフラが整ったというのが大きいでしょう。多くの人々が、自らの分身をネット上にもち、自身の情報をネット上で浮遊させています。この情報は場所、時間から基本的には拘束されていません。ネットに表現した自身の情報は、世界中に24時間露出されているのです。

 私たちは、21世紀の情報社会において、自分の情報をウェブ上に浮遊させることができる点、あるいは浮遊させざるをえない点において、いい意味でも悪い意味でもこの物資的な場所、時間に制約されていません。

 このことが「ノマド」という言葉を連想させたのでしょうか?

 建築家の黒川氏は80年代にすでに「ノマドの時代」という本を上梓し、情報社会はノマドの時代になると予測しています。また21世紀の歴史を書いたジャックアタリも、世界の人々を、「ハイパーノマド」「バーチャルノマド」「下層ノマド」と三つの階層に分けて説明しておりそのそれぞれの階層を指す言葉の末尾に「ノマド」という言葉をつけています。それはまるで、情報社会というのは、必然的にだれもが、「ノマド」にならざるをないことを示唆しているようです。

 ノマドの定義は人によってさまざまなので、ここでは置くとして私は2011年の東京において、情報インフラを使いこなす、自分自身の分身をウェブ上に情報として浮遊させることをライフスタイルとして確立している人々を都市ノマドと呼びたいと思います。都市ノマドは、都市の幸と、ウェブの幸をうまく活用して私の観察するところ非常に豊かなライフスタイルを確立しようとしています。

 その実態について、本コラムでも紹介していきたいと思います。

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