"栄光の10番"香川真司
「新エースの野望」

W杯サポートメンバーだった男がドイツ移籍で才能を開花させた
FORZA STYLE
ドルトムント市内のサッカーショップ。ショーウインドーには香川のカレンダーがあった

 昨年の春、W杯シーズンを迎えた彼は南アのピッチで戦うことを熱望していた。だが、メンバーからは落選。大会ではピッチの外で岡田ジャパンの躍進を見つめることしかできなかった。そんな彼を支えたのが、大会前に契約が決まっていたドイツ・ブンデスリーガの名門クラブ『ドルトムント』への移籍だった。

「W杯で各国選手のプレーを見て『世界はすごい』と感じました。試合に出られなくても、W杯が終われば、次は自分が世界に出てチャレンジする番。すぐに大きな挑戦が待っているので、吸収できることは何でも吸収しようと思いました。いつでも出る気持ちで質の高いトレーニングをこなせたのもよかったです」

 7月、香川は大きな希望を抱いてドイツでの生活をスタートした。W杯合宿に参加したお陰でコンディションは万全。合流後すぐに、チームに溶け込んだ。

「夢というか、世界で活躍したいと思っていたので、ようやくここに来たかという感じでした。ドルトムントのイメージはあまり無くて、パラグアイ代表でFWのルーカス・バリオスとエジプト代表でMFのモハメド・ジダンしか知らなかった。採用しているサッカーの印象は、"サイドからのクロスを上げることが多い"くらい。とにかく、遠慮はせずに自分の主張はしっかりしようと心がけました」

 控え目な性格の香川だが、自分から積極的にコミュニケーションをとり、チームメイトに受け入れられた。同年代が多く、溶け込みやすい雰囲気もあった。

「自分と同じ年の選手が多くて、スタメンには7〜8人もいる。年下の選手も多い。何の失敗も恐れずにプレーしてるから、『さらに成長するだろうな。いい経験しているな』って羨ましく思いますよ」

 若い香川よりもさらに若い選手がドイツの最前線で戦っている。この事実に彼はモチベーションを高めているようだ。

「ブンデスの試合を見る限り、スピードやテクニックは十分に通用すると思っていた。こっちの選手はみんな思った以上に技術は高くないし、CBもスピードが足りない。前を向いてボールをもらえたら、JリーグのDFより崩しやすいと思います。そういった僕の特徴が活かせる点も移籍先にこの国を選んだ理由です」