大阪府知事 橋下徹の"親弁"樺島正法弁護士が告訴「知事のシンパから脅迫された」/取材・文 森功

「地獄落としてやっからな」"反知事"を許さない異様な空気の正体

 それを察知したかのように、脅迫犯の態度が一変する。あれほど高圧的だった「おい、てめえ」口調から一転、「もう二度としませんから、許してください」と泣きを入れるようになる。なぜか、脅迫に関する知事コメントについても、橋下本人になり代わり、こう弁明した。

「橋下知事が先生のことを懲戒請求しろと言ったのは、あれはあくまで一般論でありまして、どうか両者の仲よろしくお願いいたします」

 しかし大阪府警の捜査は、順調に進んだ。公衆電話からの架電の逆探知にも成功。捜査員たちが大挙して東京に出張した。ほぼ犯人の目星がついているかのように受け取れるのである。それでも、樺島の腹の虫はおさまらず、苛立ちを隠さない。ついに大阪地検への告訴に踏み切ったのである。

〈大阪府警の係官の方々には、大変御苦労なことではあるが、可急的速やかに犯人を特定し、強制捜査を含む厳重な捜査により、犯行の動機、目的そして、何よりも背後関係を徹底的に捜査して、社会に対して公表して頂くようにお願いするものである〉

 告訴状で樺島はこう記したうえで、知事が予算を握っている大阪府警ではなく、大阪地検に告訴した理由を書く。

〈大阪府とは無縁で、権力犯罪を含めて、巨悪を逃さないとされる大阪地検特捜部に、改めて告訴し、大阪府警を指導し、共に事案を解明されたく望むものである〉

 証拠資料改ざん事件で検察不信の発端を作った大阪地検にとっては、名誉挽回する絶好のチャンスかもしれない。

(文中敬称略)

もり・いさお
1961年生まれ。新潮社勤務などを経てフリー。著書に『腐った翼-JAL消滅への 60年』(幻冬舎)、『同和と銀行 三菱東京UFJ"汚れ役"の黒い回顧録』(講談社+α文庫)など
 

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