大阪府知事 橋下徹の"親弁"樺島正法弁護士が告訴「知事のシンパから脅迫された」/取材・文 森功

「地獄落としてやっからな」"反知事"を許さない異様な空気の正体

 ちなみに「しょうゆのほうからかごに入ってきた」ギャグとは、橋下自身が万引き犯を弁護した際にそう弁明をした、と当該のテレビ番組内で明かしたもの。ことほど左様に刑事弁護はいい加減なものだ、と言いたかったのだろう。が、樺島はそんな弁護活動などありえず、「捏造」だと断じているのである。

 一方、橋下の懲戒請求をした樺島らは、さまざまな嫌がらせを受けてきた。その一つが冒頭のような脅迫電話だ。懲戒処分が下った9月以降、執拗に脅しの電話がかかってきたという。

「この問題にかかわるすべてにおいて、橋下知事にかかわるんじゃねえよ」「おめえみたいな、うそとはったりしか言わわねえぼけ老人こそ、懲戒請求されるべきなんだよ」「絶対許さねえからな、樺島・・・」(電話記録より抜粋)

告訴に踏み切る樺島弁護士。脅迫電話の主は、知事の功績を褒めたうえで脅しをかけた 〔PHOTO〕朝井 豊

 樺島本人が憤る。

「電話の主は関西弁ではなく、べらんめえ調の東京弁。学生のようでもありました。橋下氏には、まるでヒトラー・ユーゲント(ナチス党の青少年団体)のような熱烈な支持者がいます。しかし、弁護士活動を封じようとするこのような卑劣な脅し行為は、絶対に許せません」

 昨年11月までで脅迫電話は4度。それについて橋下本人もコメントしている。

〈橋下知事は19日、報道陣に「脅迫はあってはならないこと」と話した。一方で「不平不満があれば、懲戒事由を調査のうえで、弁護士会に懲戒手続きをとってほしい」とも語った〉(11月19日付『朝日新聞』より)

 驚いたことに橋下は、「おめえみたいなやつが懲戒請求されるべき」との脅迫犯の言に乗って、そう呼びかけてさえいるのだ。

 樺島はこの間、大阪府警に電話の件を通報し、府警の強行犯係による捜査が始まる。樺島法律事務所には、大阪府警の刑事が待機し、脅迫電話に備えた。府警の捜査の渦中にも、毎日のように脅迫電話がかかって来る。

 犯人は何度も電話をかけて来るうち、発信元の非通知操作を忘れたのだろうか。間抜けなことに、携帯電話番号が樺島事務所の電話に表示されたこともあったという。そこから足がついたようだ。