限界説に反論!松坂大輔「僕は変化している」

9勝6敗、防御率4点台でも「手応えあり」の根拠
「(妻に)内緒で買えないんで」と"獲物"を携帯で撮影する松坂。クルマと腕時計が大好きなんだという

 松坂は '09 年12月中にトレーニングを開始。全米のトップアスリートたちが集うアリゾナの施設に通い、正月返上で猛トレーニングを敢行した。主に体幹を鍛えたが、最も力を割いたのが臀部(でんぶ)だった。

「最先端の施設だけあって、『身体をこういう形にすることで、今までにない鍛え方ができるんだ』という発見があって新鮮でしたね。

 鍛えていく上で何が大事かというとバランス。自分が力を出しやすい体勢でも、(バランスの観点から見ると)間違いだったりするんです」

 ムーブの大きい新しい変化球を身につけたわけではない。臀部を鍛え、バランスを改善し、投球動作における下半身の使い方を改良しただけである。

「それでも、新しいトレーニングに取り組めば、今までと同じように投げても、必ず良い変化が出る。そう思って取り組んでいました」

 背中の張りの影響で '10 年シーズンは出遅れたが、メジャーに復帰してから1ヵ月経った6月7日、"変化"が起こる。日米通算150勝目を挙げたインディアンス戦(8回無失点)で「バットをボールで押し込む」感触を得たのだ。

『メートル・デュ・タン』の『Chapter One』は撮影当時、日本に2本しかなく、お値段なんと4158万円!

「序盤から『ボールに力がある』と感じられた初めてのゲームでした。ただ、変化が出たことで満足できるかと言えば、絶対そんなことはない。納得いくストレートを投げられる回数は増えましたが、そんな球は全体の2割あればいいほう。

 それまでの3年間よりマシだという程度。確率を上げるのが '11年のテーマです」

 剛球が復活しても、彼は「キッカケを摑んだにすぎない」と手放しでは喜ばないのだった。理由は簡単。一つステップを登ったことによって、新たな悩みにぶつかったからである。

野茂よりも特殊

  '10年シーズン中盤、先発として勝ち星を重ねていた松坂が本誌にこんな言葉を寄せたことがあった。

「(勝ててはいるが)なかなか分からないことがあったり、面白いけど大変です」

 本人がその意図を解説する。

「(新トレーニングの導入などによる)変化に対応できると思っていたのに、実際はできなかった。もう一つ上のレベルに行けるはずなのに、なかなか乗り越えられないというか。長いトンネルの先にやっと光が見えてきたのに・・・。でも、新たな変化があったのは発見ですし、対応策を考えるのは楽しいですよね」