吉原 清児:著 『医師がすすめる「最高の名医」+治る病院』 不妊症 人工授精・体外受精・卵管鏡下卵管形成術

福田愛作 IVF大阪クリニック院長

「体外受精の父と呼ばれるエドワーズ博士は、両方の卵管のない母親に体外受精を施し、妊娠、出産に成功しました。ルイーズと名付けられたその女児の妹も体外受精によって生まれました。

床運動、サーキットトレーニングを組み合わせたフィットネスコースも。「卵巣とか子宮は手で揉んで血行をよくすることはできません。血のめぐりがよくなる運動も不妊治療の一環、絶対プラスです」

 01年に来日したエドワーズ博士が私たちのクリニックを訪ねてくれた時には、その妹が成長して自然妊娠により出産したこと、体外受精によって生まれた子でも何ら生殖能力に異常がないことを証明できたと語ったことを、よく覚えています」

 と語るのは、IVF大阪クリニック院長の福田愛作医師だ。産婦人科歴32年。日本を代表する不妊治療のエキスパートである。

 クリニックの所在地は、東大阪市。2010年1月、世界中から集めた最高水準の機器・設備が揃う超モダンな不妊クリニックとしてこの地に新築移転。3階建て総延べ床面積3000m2。独立型不妊クリニックとしては世界で一番大きく、外来患者数も毎月3000人を超える。

 通常、射精した精子が膣を通過して子宮、卵管まで泳ぎ着き、卵管の先(卵管膨大部)の場所で卵子と結合する。これが受精である。そして受精卵が子宮に入り子宮内膜に着床し、妊娠が成立する。この過程のどこかに不具合が生じると妊娠に至らない。すなわち不妊症である。

 不妊の治療法は大別して、5種類がある。1.排卵日を予測し、性生活のタイミングを合わせる「タイミング法」、2.射精した精液を人為的に子宮の奥に送り込む「人工授精」。1と2は自然妊娠に近い方法だ。

 それに対して、高度な生殖補助技術を用いる特殊な不妊治療では、3.体外受精(前述)、4.「顕微授精」(1000分の7mmのガラス針を用いて卵子の中に精子を1個だけ入れて受精を助ける)、5.「精巣内精子顕微授精」(精巣内の精子を見つけ出し卵子に入れて受精を助ける)という3つだ。福田医師がいう。

「不妊治療の基本は、まず十分な検査に始まり、可能な限り、自然妊娠に近い順に治療を進めることです。それを『治療の木』と私は呼んでいます。心のケア、漢方治療、運動療法などを組み合わせながら、心と身体を妊娠しやすい状態に整えていくことを第一ステップとし、6ヵ月ごとに必ず次の段階に進む。

 最終的に体外受精、より高度な顕微授精を施行する場合は、世界最先端の技術を用い、妊娠率の一番高い方法を提供することが不妊クリニックの役割と考えています」

閉塞した卵管をバルーンで再開通する

 福田医師は1950年生まれ。89年、39歳の時から米国イーストテネシー大学に滞在。准教授として不妊治療に携わり、世界最先端の知識と技術を修得した。98年以降は、日本の生殖医療の質を向上させるため尽力してきた。