吉原 清児:著 『医師がすすめる「最高の名医」+治る病院』
白内障・超音波極小切開手術

赤星隆幸 (三井記念病院眼科部長)
白内障手術中の赤星医師。「眼科医としてのこだわりは?」と訊くと、きっぱりといった。「最新の医療機材と最高の技術で手術を行い、患者さんが最良の視力を取り戻すことです」

失明寸前の患者も「ああ、見える」と感激

 この四半世紀、白内障事情は大きく変わった。ひと昔前には白内障の手術は患者に多大な苦痛を与え、手術が成功しても視力回復は思わしくなかったため、眼科医は「様子をみましょう」と手術をあまり強く勧めなかった。

 しかし、医療技術はめざましく進歩し、90年代初頭に超音波白内障手術(92年保険適用)が登場した。おかげで多くの人々は「よく見える目」を取り戻せるようになった。

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 超音波白内障手術とは、前述の通り、濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の眼内レンズを挿入するのに「小切開、無縫合、点眼麻酔」で行われる白内障の標準治療だ。手術中はもちろん、点眼麻酔時にも痛みがなく、手術によって眼が受ける負担も少ない。最近ではさらに進化した超音波極小切開手術、すなわち前出・プレチョップ法が世界的に脚光を浴びつつある。

 この方法は、傷口がより小さく、手術時間が短い。赤星医師が独自に考案したダイヤモンドのメスで角膜の小切開を行い、一滴の出血もなく、手術が終わった瞬間から患者は目が見える。視力回復と同時に傷の治りも早い代わりに、手術の難易度が極めて高いため、赤星医師の独壇場に近い世界なのである。

 つい最近も、こんなケースがある。

 60代男性は大阪在住。悪化した白内障で手の動きが薄ぼんやりと見える失明寸前の状態まで視力が落ちた。

 なんとか視力を取り戻したいと病院を何軒も訪ね歩いたが、地元大阪でも東京の大学病院でも「リスクが高い」という理由で手術を断られた。10年5月中旬、赤星医師の手で行われた白内障手術は成功。