吉原 清児:著 『医師がすすめる「最高の名医」+治る病院』
白内障・超音波極小切開手術

赤星隆幸 (三井記念病院眼科部長)

「白内障手術では濁った水晶体を取り出し、代わりに人工の眼内レンズを挿入するのですが、一般的な白内障手術と比べて、私が考案した手術(プレチョップ法=右図)は2mm程度の小さな傷口で済み、眼の内部を傷めることなく、短時間で治せる点が大きな特色といえます。

 白内障の状態によって異なりますが、通常、手術時間が3~4分。手術後直ちに視力を取り戻すことができます

---手術時間の最短記録は?

「1分28秒」

---驚くべき速さですね。

「いや、本当はスピードを競うのではなく、眼の手術で5分、10分を耐えられない高齢の方がいます。その方にとって必要な手術を速く済ませてあげられたということです」

 98歳の白内障女性患者は脳卒中後遺症があり、半身マヒだった。しかも両眼が白内障で日常生活に不自由をきたし、赤星医師が眼の手術を引き受けた。

 ちょっと聞き分けのない老婦人だったらしく、手術中に騒ぎ出したという。医師と患者が交わした会話は、

患者「もう、おやめになってください!」

赤星医師「**さん、お願いです。僕に5分の時間をください」

患者「5分? 嫌でございます!」

赤星医師「じゃあ、あと20を数える時間で済ませましょう」

患者「ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ」・・・。

 臨機応変の名医の技で、超スピード手術に要した時間は2分足らずだった。