『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』著者:適菜収 「B層」をキーワードに、ゲーテが予言した大衆社会の末路を読み解く!

 こうしてB層は、購読している新聞のオピニオンを自らのものにします。

 説明の3.は、B層のIQに合わせて、臨機応変にメディアを選ぶということですね。

郵政民営化ってそういうことだったのか!

 私が注目したいのは次の部分です。
*前述のターゲットB層とは異なるが、B層に強い影響を与える、A層に対してのラーニング手段として、Webを活用する方法を提案したい。

 B層は構造改革がどういう性質のものであるかを知らないし、知ろうともしません。ただ、「改革=新しい=なんだかよさそう」という程度のイメージしか持っていない。このB層に決定的な影響を与えるのはA層(財界勝ち組企業・大学教授・マスメディア)です。だから、A層を「学習」させることが重要になります。

 つまりA層を利用することで、B層の「学習作業」が効率的になる。

 企画書ではインターネットを活用した各種セミナーの導入が提案されています。

 たしかにこの分析は的を射ています。

 権威・マスメディアを根拠もなく信じるのが、B層の特徴だからです。

 マスメディア対策として一番手っ取り早いのは買収でしょう。多くの政党は日常的にジャーナリストや文化人の買収を行っています。実際、元官房長官の野中広務は、官房機密費を使って買収工作を行っていたことを政界引退後に暴露しました。

 また、党の講演会や政治家個人の勉強会に招いて、相場の数倍のギャラを渡すケースもあります。たとえば小沢一郎は、改革国民会議や小沢一郎政経研究会といった関連団体経由でジャーナリストにカネを配っていました。公明党や共産党のように、党の媒体で原稿を書かせる方法もあります。

 次のページには「生活者の理解と共感を加速するために」とあります。

◎竹中平蔵氏と佐藤雅彦氏による対談「経済ってそういうことだったのか会議」(日本経済新聞社刊)の発刊は二〇〇〇年四月。小泉構造改革内閣誕生の一年前である。いわば、この本により、旧来とかく理解しがたい経済問題が、はじめて一般生活者によって理解可能な次元を切り拓かれ、高い支持率による小泉政権発足の原動力となった、とも考えられる。
そこで、以下の戦略が提案されます。

1.公人としての竹中大臣発話に対して、対話者である識者が、生活者レベルでの理解可能な直喩と暗喩を駆使して、理解&納得可能なカタチに翻訳する。

2.公人としての立場から、前述の書籍で築いたイメージ資産を、国家政府のための貢献として献上する、というスタンスを形成する。

3.対話者は、学識経験者・識者にとらわれず、広く世の中、ターゲットから信頼を勝ち得ている著名人をセレクトしていく。*彼ら自身がTV番組や連載記事などで発話空間を有していて、民営化の理解、合意が波状的に拡がるように設計する。