『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』著者:適菜収 「B層」をキーワードに、ゲーテが予言した大衆社会の末路を読み解く!

 この企画書が、主にA層とB層をターゲットにしていることが、ここから読み取れます。

狙い撃ちにされたB層

 企画書には大きな文字で「B層にフォーカスした、徹底したラーニングプロモーションが必要と考える」と書かれています。

 B層の特徴はIQが低いことです。構造改革の失敗例もすぐに忘れてしまう。そこで、マイナスの成果を思い出させないように工夫することが重要になります。

『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』
著者:適菜 収
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 つまり小泉構造改革を実現するには、B層に狙いを絞り、彼らを「学習」させるための「宣伝戦略」が必要であると。その方法は以下の三点になります。

1.これまでの構造改革の成果をしっかりと伝えること。
*構造改革のうち、ネガティブに捉えられているそれ、との類推を極力避けるとともに、可能な限り、それを想起させないこと。

2.旧来型話法ではなく、可能な限り『客観的第三者』発話を利用、それを味方化した発信に。
「有識者や生活者代表との対談・対話の中で理解と共感を醸成する」

「生活者にとって身近なメッセージの開発(あ、わかった・・・なるほど、そーゆーことか)」

3.ターゲットの理解促進に即した、新しい媒体・ビークルを検討する。

 また、B層は自分の頭で考えずに、興味のある文化人、タレント、知識人の発言をそのまま自分の意見として流用します。だから、政治家は大上段から理屈を振りかざすのではなく、「第三者の発言」を利用しながら、B層を「教育」する必要がある。

 こうした手法は新聞社もよく使います。

 たとえば、社説が載ってしばらくすると、ほぼ同じ内容の投書が読者欄に掲載されます。第三者である読者に代弁させることで、社論の補強作業を行うわけです。

 あるいは第三者を捏造するテクニックもあります。

 記事の最後に「今後波紋を呼びそうだ」「発言が問題視される可能性がある」などと付け加える。波紋を呼び起こしたかったり、問題視したいのは原稿を書いた記者ですが、こうして仮想の第三者を利用する形で煽れば、B層は脊髄反射的に激高してくれます。