『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』著者:適菜収 「B層」をキーワードに、ゲーテが予言した大衆社会の末路を読み解く!

 大手商社がつくった表面上シックだけど安っぽいグルメアーケード。

 政治家にも期待することはできません。

 二〇一一年三月一一日、午前の参院決算委員会で、首相の菅直人は自身の資金管理団体「草志会」が在日韓国人(パチンコ店を経営する会社の代表取締役)から違法献金を受け取っていたことを認めます。そのわずか五日前には、外相の前原誠司が在日韓国人からの違法献金が発覚したことにより辞任していた。将棋で言えば、菅政権はほとんど詰んでいたわけです。

 ところが同日午後二時四六分、東北地方太平洋沖でわが国観測史上最大の地震が発生。さらに最大波高一〇メートル以上、最大遡上高三八・九メートルの大津波が発生し、岩手県、宮城県、福島県の太平洋沿岸部を中心に壊滅的な被害をもたらします。

 死者・行方不明者は約二万一〇〇〇人。

 この津波により、福島第一原子力発電所の非常用電力供給系統が故障し、大量の放射性物質の拡散を伴う原子力事故が発生します。

 浮かれ立ったのは、退陣包囲網を敷かれていた菅直人です。

 その後、菅は小躍りしながら、行く先々で場当たり的なパフォーマンスを繰り返し、結果として未曾有の人災を招くことになります。

 地震翌日の朝六時には、ヘリコプターに乗り込んで首相官邸から福島に出発。海岸部を上空から視察し、福島第一原子力発電所で東京電力社員から説明を受けました。

 非常時に国のトップがふらふら動くのは論外ですが、これにより現場が混乱します。菅の相手をするのに時間をとられて、原子炉格納容器内の圧力を弁から逃がす「ベント作業」が大幅に遅れた可能性が高い。

 菅は、この視察の出発前に「原子力について少し勉強したい」と述べ、東京に戻ると「あらためて津波の被害が大きいと実感した」と小学生並みの感想を漏らしました。

 午後に首相官邸で行われた与野党党首会談では「最悪でも放射能が漏れることはない」と断言。その会談中に一号機が爆発し放射能が漏れますが、野党側に真実を伝えることはありませんでした。

 一刻も早く国民に避難を呼びかけなければならない非常時に、菅は何をしていたのか?

 夕方に予定されていた記者会見の内容が突如変更になったためパニックになっていたそうです。一号機の爆発後、菅は東京電力の技術者を官邸に呼びつけ、「これから記者会見なのに、これじゃあ説明できないじゃないか!」と怒鳴り散らします。

 菅が気を取り直して記者会見を始めたのは、爆発から五時間後の午後八時三〇分でした。