来年にはツイッター並みにビジネスの世界を揺らすだろう、と予想されている「フェイスブック」、皆さんは個人としてお使いでしょうか?
完全実名制を取るフェイスブックは、基本的には「実際に面識がある人とオンライン上でもつながる」ために使われる、実生活に即した実用性の高いコミュニケーションツールです。
皆さんも家族や友人と「実名」で、電話や手紙、電子メールをやり取りしているはずです。フェイスブックはバーチャルなものではなく、手紙やメールのような「実生活」の文脈に属するツールだと言えるでしょう。
もちろん、フェイスブックを使えば「これまで全く面識の無かった人」とも繋がることも可能です。そこから得られるものも多いかも知れませんが、やはり「実名」で活動するフェイスブック上では「見知らぬ人」と繋がることはリスクにもなりえるため、あまりお勧めすることはできません。
ここ10年で私たちのコミュニケーションを大きく変えたツールは、間違いなく電子メールでしょう。フェイスブックはそんな電子メールと比べると、どんな特徴があるのでしょうか。
フェイスブックとメールの決定的な違いは、メールが「手紙」であるのに対して、フェイスブックが「ウォール」であることです。
「ウォール」とは耳慣れない表現ですが、「フェイスブックポケットガイド(毎日コミュニケーションズ)」の著者の青木理音(@rionaoki)さんは「ウォール」について「学生寮の部屋の扉だと思えば良い」と解説しています。
学生寮のドアの壁(ウォール)には不特定多数の友人に向けた雑多な「近況」が書き込まれます。
「今日は大学の図書館にいる」「明日は映画を見に行くから暇な人誰か声掛けて」「夕飯はカレーが食べたい」などなど、メールとは違い、対象が明らかでないメッセージが中心になります。
また、自分のウォールには友人からの伝言なども書き込まれます。一つの書き込み(「映画行くから誰か声掛けて」)に対して、連鎖的に友人たちがメッセージを連ねること(「何の映画?」「スターウォーズだよ」「俺も行きたい」「じゃあ私も」・・・)も可能です。
フェイスブックは寮の「ウォール」のデジタル版だと考えることができます。フェイスブックにアクセスすれば、親しい友人たちが彼ら自身のウォールに書き込んだ近況を知ることができ、ウォールに自分の近況を投稿すれば、それは自動で親しい友人たちに伝達されます。