新車だと思ったらハイブリッドかOEMばかり。売れたと思えば納期は来年。これじゃ日本車いよいよヤバいよ!
「買いたくなるクルマがない」。業界随一の日本車びいきである本誌も、最近の日本車に危機感を感じているという。そういえば最近のアンケート企画でも、近年の日本車に危機感を持つコメントが多い。そこでここでは特に日本車びいきの有識者に、今の日本車の問題点を聞き、本誌読者(日本車びいきのクルマ好きの代表や!)の声をいくつか紹介する。
元気な頃の日本車は、積極的に時代の先端を行くメカニズムを採用していたし、デザインも個性的だった。誰が見ても、車名がわかるほどデザインに違いが見られたものである。
が、10年ほど前から欧州車をマネて、メーカーアイデンティティを主張するようになった。その手段として、全車種に似たようなデザインのフロントマスクを採用しだしたのだ。
ありがたがってメーカーの顔を作ろうとしたのだろうが、チャンチャラおかしい。これは欧州の権威主義や悪しき階級社会そのものだ。統一した顔を作ったことによって個性がなくなり、見分けがつかなくなってしまった。しかも序列が明確になっている。これじゃ下のクラスは売れないよ。
マークⅡが売れていた頃、ライバルたちは「金太郎アメのようなデザインじゃダメだ」なんて揶揄していたが、今の日本車はあのころよりひどい。1車種だけでなくすべてのクルマが金太郎アメ状態になっている。同じ顔立ちがクルマ離れを加速させたし、自動車に対する興味を削いでいる。三菱のブーレーデザインやスバルのウイングをモチーフにしたデザインはブーイングの嵐だったのをお忘れか。