大研究シリーズ 早期発見が命を救う
ああ、あれが病気の始まりだったのに
予兆はあったのに、多くの人が見逃してしまう

週刊現代 プロフィール
知事退職後、梶原氏は「健康医療市民会議」を立ち上げた

 こう語るのは、前岐阜県知事の梶原拓氏(77歳)だ。70歳のとき、前立腺がんが発見された。

「ちょうど天皇陛下の前立腺がんが公表されたときだったので、私も年1回の定期健診のとき、医師に『前立腺がんも分かるのか』と尋ねたのです。定期健診では無理だが、オプションで2000円出せば調べられるというので、PSA検査を受けました。そうしたら前立腺がんが見つかった。陛下のおかげです」

 梶原氏は「頻尿」があったというが、誰もが当てはまる前兆ではない。東京厚生年金病院泌尿器科部長の赤倉功一郎氏が説明する。

「頻尿は前立腺肥大症によるものでしょう。前立腺がんは肥大症と合併して現れることがあるのです。もし前立腺がんが原因で頻尿なら、手遅れ状態の可能性が高い。このがんの場合、早期では特徴的な症状はありません。進行すると、血尿、頻尿、排尿障害などの症状が出てきます。一日8回以上、夜は2回以上の頻尿が目安です。さらに進行すると、骨に転移して腰椎や骨盤に頑固な痛みが出てきます。さらに、血精液症で精液に血が混じることもある。これらの症状が出たら、がんはかなり進行しているので、そうなる前にPSA検査を受けておくべきです」

 PSA検査は、父系の親族に前立腺がん患者がいた場合は40歳くらいから。いなければ50歳からが受診の目安だ。受ける頻度は、血液で調べるPSA検査の数値によって判断する。

「数値が1(ng/ml)未満なら、まず大丈夫でしょうが、2なら年齢によって解釈が違ってきます。30代の2は危ない数値、50代の2は微妙な数値で、70代以上ならほぼ問題なし。

 50代前半で、初めてPSA検査をして2だったら、私なら3ヵ月後にもう一度検査を受けます。1回だけでは、もともと高かったのか、がんが進行して数値が上がったのか、分からないからです」(赤倉医師)

 ちなみに、梶原氏のPSA値は、なんと「45」。幸い骨への転移はなく、ホルモン治療と、当時はまだ試験段階だった重粒子線治療で治癒している。自身のがんが発覚後、梶原氏は「一定年齢を超えたときにPSA検査を受けないと昇進させない」と岐阜県庁の職員全員に検診を徹底させた。

「これでがんが発見された職員も何人かいて、『命拾いした』と感謝されました。私も、園遊会にお招きいただいた際に『陛下のお陰で命拾いをいたしました』とお礼を申し上げたんです」

ゴムみたいな臭いの尿

毎週3回5時間の透析を受けている義太夫氏

「最初に僕が『糖尿病になった』と知らせたとき、おかあちゃんは泣いていました。そりゃあショックですよね。自分の夫が死んだ病気と同じ病気に、息子が罹ったわけですから」

 たけし軍団の初期メンバーでお笑いタレントのグレート義太夫氏(52歳)は、今、糖尿病から進行した腎不全で、人工透析を受けている。現在は軍団の若手と一緒の寮で、極端に制限された食事を自炊しつつ、闘病生活を送っているのだ。

 現在、予備軍を含めると、その患者数は国内2210万人にものぼるという糖尿病。身近な病気だが、その危険性を理解している人はどれだけいるだろうか。

「最初に感じたのは、どうにもならないほどの喉の渇きです。コーラなど甘いジュースを、最低でも1日1.5l、多いときで3l飲んでいました。頻尿にも苦しみましたが、もっと参ったのは臭い。尿がゴムみたいな変な臭いがしました」